僕の面接方法は、ちょっと前に『無敵の仕事術』(文春新書)に書いたように、だいたい僕が話したいことを話して、その過程で、ディスカッションの中から候補者の人となりを見る、それで合否を出す、そんな感じだ。どこまで行っても、表情、話のテンポ、トピックごとの話の深さなどで、だいたいその人がどんな人なのか、子供の頃からどんな歴史をたどってきた人なのか分かるような気がしている。「ビジネススキル」なんていう矮小なもの、こうしたテクニカルだが表面的なポイントではなく、その人の物の考え方や、情熱の所在といったことが僕にとってより大きなポイントなのだ。

 情熱が欲しい。燃えるような情熱を持った人たちと一緒に働きたい。本当にそれだけだ。いっそのこと、年内に人材採用の目処を付けてしまおう、まとめて複数名採用してしまおうなどと考えていたものの、結局なかなか決めきれなかった。ラースさんと初めて会ったときのような稲妻が走らなかったと言えばよいだろうか。

 2017年をハチャメチャな年にするために必要なエネルギーが、これでは足りない。妥協するくらいなら、もう少し、あとほんの少しだけ待とう。僕はラースさんと相談し、人材採用に関しては2017年の頭にもう一回仕切り直すことに決めた。

長く、濃密な、かけがえのない一年を越えて

 12月21日、サンノゼの日本食料理屋さんで、ヨネの送別会をやった。お寿司を食べて、ビールを飲んで、思い出話をたくさんした。

 ラースさんが、「ヨネと最初に行った出張は、ロスアンゼルスだったな」と話を始め、ヒューストン、シアトル、サンノゼなど、僕たちは一つひとつの出張の思い出を話していった。一年充実していると、あっという間だなんて言うけれど、この一年は僕にとっては全然あっという間なんかじゃなくて、久しぶりに、ずいぶん長いと感じる一年だった。

 結局クレジットカードの情報は2016年中に4回盗まれて、家を1回変わり、出張先のホテルの部屋には2度入れずに(1度は予約が無くなっていてラースさんと相部屋になり、もう1度は何度やってもドアが全然開かなかった)、ヒューストンやフェニックス、シカゴにシアトル、フィラデルフィアやサンディエゴなど、アメリカの各都市を駆け回った。2016年は、僕の人生にとって、本当にかけがえのない一年だ。これまで散々色んなことをやってきたけれど、こんなに充実した、こんなに色んなことを考えた一年は無かった。神様に感謝したいくらいだ。