ヒト型ロボットベンチャー「SCHAFT」をグーグルに売り、世界の注目を集めた日本人経営者の名は、加藤崇。彼は今、アメリカにいる。日本の新たなロボット技術を携えて、アメリカで新たな勝負をするために。オフィスを借り、仲間を得て、東奔西走。情熱を燃料に、試行錯誤を楽しみながら、今日も一歩、前に進む。その日々を追う。
シリーズ
サムライ経営者、アメリカを行く!

完結
34回
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迎合するな、フェアと自由を愛し、変化に挑もう
連載最終回。寂しい限りだが、出口は次への入口だ。僕たちは2019年も走り続ける。権威に迎合せず、フェアネスを掲げ、自由を愛し、変化に挑む。世界を悩ます問題を解決し、その先へ進む。
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「米国の水道」の次は「日本の鉄道」も守る!
10月から東急電鉄の「AI保守管理」実験に着手した。米国で育てた上水道配管の経年劣化予測プログラムが活躍の範囲を広げていく。今に満足してはいけない。「次」へ進もうとする強い意志こそが、新たな成長につながるのだから。
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自律的な現場が育ったら、経営者は何をすべきか
営業責任者の懸命な努力の甲斐あって、全米各地の営業スタッフが成果を上げるようになった。開発の現場も、その熱量を上げている。自分で考え、動く「現場」が育ってきた。そのとき、経営者は何に力を注ぐべきだろうか。
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ベンチャー創業者は「その時」身を引くべきか
9月、僕は東京にいた。展示会に参戦し、旨い寿司を食べながら、日本人として世界で戦うために何が必要か改めて考えた。アメリカ人の相棒は自分の立ち位置に悩み、僕は彼にかけるべき言葉を考えた。秋の夜長もまた、学びの時だ。
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日本の潜在市場と隠れたる天才、発掘します
8月後半、一時帰国して日本市場開拓へ始動した。不思議な縁でやってきたインターン生のエイモンが活躍してくれたこの夏。その終わりに、大坂なおみ選手の快挙に興奮しながら日本とアメリカについてあれこれ考えた。
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苦渋と期待と奇跡と。だから「営業」は面白い
第2回全米営業ミーティングを開いた。新メンバーには、僕たちがやっていることの意義を共有した。「お金を払いたい」と言ってもらうのは大変だが、「営業」の大切さと奥深さを改めて考えながら、今日も一歩、前に進む。
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経営者とは「フェアか?」と問い続ける者である
組織にとっても、個人にとっても、ベストな判断をしたい。もちろん、すべてが完璧にはいかないけれど、判断する責任を担う者として、何を大事にするかが問われる。僕はいつも「それはフェアか?」と自らに問う。
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ちょっと待てよ、これは全然ゴールじゃない
栗田工業による我がフラクタの過半買収が成立後、僕は3日間「放心」状態になった。でもそれは「ゴールした喜び」によるものではない。再びエンジン全開で加速するための、つかの間の休息だった。いざ3度目の全米水道カンファレンスへ。
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世界制覇へ、栗田工業と「サムライ連合」結成!
僕たちフラクタは5月30日、水処理の世界的大手、栗田工業との資本業務提携を発表した。栗田工業がフラクタ株式の50.1%を取得するM&A取引で、引き続き僕がCEOとしてフラクタを率いる。「サムライ連合」で事業をさらに加速す…
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資金調達もトップ営業も「全力疾走のチーム戦」
シリコンバレーでベンチャーCEOとして資金調達に奔走する日々。楽ではないが、苦ではない。僕は一人ではなく、頼りになる仲間たちがいる。大きな契約を目指してテキサスへ。反応は上々。僕たちの矢は世界に刺さり始めている。
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水道業界「世界2位の革新的企業」に選ばれた!
「世界の水道業界で最もイノベーティブなスタートアップ」を決めるコンテストで、我らがフラクタは2位を獲得した。その直前には、初の年間ソフトウェア利用契約を結び、欧州から出資の打診が。僕たちは、加速している。
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日本企業のサムライたちよ、頼む、気づいてくれ
単身アメリカで起こした会社フラクタの仲間が17人になり、50人規模の仕事を手掛ける日々。全米営業キックオフミーティングで気合を入れ、取締役会でさらに気合を入れた。そして僕は日本に3日間戻った。新たな同志を探すためだ。
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さらに成長するには、この痛みが必要なのだ
ラースさんと二人三脚で始め、仲間を増やしてきた我らがフラクタにダグが加わった。成長の切り札となる存在だ。彼を軸にした営業体制にシフトする。ラースさんは複雑な思いだろう。僕はラースさんと、とても大事な話をした。
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根無し草のクレイジーたちが世の中を変えるのだ
昨年末、次期製品の開発メンバーと法務部門責任者が加わった。根無し草でクレイジーな僕は、根無し草でクレイジーな仲間を得て、いよいよ高く飛ぶための準備が整いつつある。正月に引いたおみくじはもちろん「大吉」だった。
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水漏れ検査×予測ソフト×信頼=最強の提携へ!
水道配管の水漏れ検査をアメリカ全土で行う会社を率いるロブとサンディエゴで徹底的に話し合い、提携を決めた。僕たちの予測ソフトと組めば、すごいサービスになる。東海岸を任せる仲間を見つければ、いよいよ足場は固まる。
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僕たちが目指しているのは「平均」じゃない
「米国基準」では「平均給与」が重視されるが、僕たちが目指すところはそこではない。会社も報酬もやり甲斐も、仲間と一緒に大きく育てていきたい。スピードを上げながら、フェアであることを第一にしながら。
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「夢のようなシナリオ」は僕たちなら実現できる
資金調達にめどが立ち、シカゴの展示会へ。誕生日祝いにステーキを食べた翌日、交渉先から「夢のようなシナリオ」が提示された。いや、夢ではない。僕たちの技術を使えば、多くの「小さき者たち」を救えるリアルなシナリオだ。
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世界最大の民営水道会社を総力戦で攻めまくる!
新戦力のアイリーンが加わった。念願のグリーンカードも手に入れた。そして、世界最大の民営水道会社からメールが届いた。我々に興味があるという。さあ、攻めまくろう。アクシデントも楽しみながら、全力で。
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スタンフォード認定!「無敵の変わり者チーム」
7月28日、スタンフォード大学で、僕たちの会社フラクタが「将来を約束されたスタートアップ企業5社」に選ばれた。8月には全米最大の水道会社と事業の相談が始まった。変わり者たちが集う我らがチームは、今日も前進しております。
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「曖昧さへの耐性」楽しみつつ、いざ1社攻略へ
たった1社、僕たちの製品に価値を認め、お金を払ってくれる会社を見つけることに集中しよう。僕らは大きな会社で働くことに飽き飽きした変わった連中の集まりだ。このヒリヒリする、曖昧な環境にダイブすることを楽しもうじゃないか。
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全8回