シリーズ
東電バブル 22兆円に笑う業界 泣く業界

完結
「難しくてよく分からない」「重苦しいなぁ」......
そう思って記事を読み飛ばしてしまう人が多くはないだろうか。
福島第1原子力発電所の事故から6年。
政府主導で再建計画骨子がまとまり、6月には経営陣を刷新する。
だが事故処理費用は22兆円に膨れ上がり、さらに増える可能性も高い。
巨費に群がり笑う業界があれば、不平等な負担の分配に泣く業界もある。
バブルの様相を呈する東電改革の実態を知れば、無関心ではいられない。
この記事の著者
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飯山 辰之介
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大西 孝弘
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寺岡 篤志
5回
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