vivoは2016年に出荷台数を大きく伸ばした

 米アップルや韓国サムスン電子などがしのぎを削る世界のスマートフォン市場で、「vivo(ビボ)」は2016年に大きく躍進した中国ブランドの1つだ。米調査会社IDCによると、vivoは昨年、2015年比で2倍超となる7730万台を出荷し、世界5位につけた。中国市場では6920万台を出荷、OPPO、ファーウェイに次ぐシェア3番手となった。

 vivoブランドのスマートフォンを製造する維沃移動通信は広東省東莞市に本社を置く。中国国内では教育機器やDVDプレーヤーで知る人が多い広東歩歩高電子工業(BBK)がvivoの前身だ。

 2016年に中国スマホトップに立った「OPPO」(オッポ、広東欧珀移動通信)はBBKのAV部門がスピンアウトしてできた企業である。一方、vivoはBBKの通信部門から立ち上がったブランドで、OPPOとはライバルにありながら兄弟のような関係でもある。OPPOについては以前、この記事でも触れている。

 BBKの創業者である段永平氏は、中国の企業史における立志伝中の人物の1人だ。北京の真空管工場をやめて大学院で学びなおした段氏は、広東省中山市の赤字工場の工場長に就く。この工場で段氏は、任天堂のファミリーコンピュータそっくりのゲーム機を製造し、中国国内で大ヒットに導く。

 しかしその後、経営方針をめぐりグループの経営陣と対立。段氏は独立し、BBKを立ち上げる。そして子供用の教育機器やコードレス電話、VCD(ビデオCD)プレーヤーなどで高いシェアを持つ企業に成長させた。vivo、OPPOのトップは、独立時に段氏についてきた6人のうちの2人だと言う。そのため、vivoとOPPOの企業理念や経営戦略は似通っている部分が多い。

 vivoはインドや東南アジアにも進出しており、グローバルブランドへの道を歩んでいる。急成長を果たし、世界にも事業を広げる中国のスマホメーカーは、政府が目指す製造業の高度化の象徴でもある。

 vivoはこれまでメディアの取材をほとんど受けてこなかった。同社によれば、これまで海外メディアによるインタビュー取材を受けたことはないという。今回、急成長の理由や今後の戦略について、ブランド戦略部ブランドディレクターの鄧力氏がインタビューに応じた。