「ル・マン24時間」を含む自動車レース、世界耐久選手権(WEC)。短くて6時間、長くてまる1日を走りきる過酷なモータースポーツだ。トヨタ自動車の「トヨタ・ガズーレーシング」が走らせるマシンには、数多くの日本企業の名前が貼ってある。オールジャパンを標榜するこのチームを支えるのは、いわば「普通の日本の会社」たちだ。そこで働く経営者や会社員の皆さんは、世界選手権に関わることを「仕事」としてどう捉えているのだろう。現場を見に行ってみた。
シリーズ
お仕事は「世界耐久選手権」です

完結
4回
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「父の会社は最先端、どころか時が止まってた」
「修行に出る前も、外から見ている時も、ケン・マツウラレーシングサービスは、ハイエンドの技術力を持っていて最先端な会社、という認識でした。ところが、帰ってきて客観的に見ると『時間が止まっている』感じなんです!」
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「修行? いや、BMWには教えに行ったんだよ」
この週末、ル・マン24時間初勝利をめざすトヨタの「TS050ハイブリッド」。各誌の記事によれば、ガソリンエンジンの性能向上はめざましいようだ。そのトヨタのレーシングエンジンの開発にずっと携わってきた、伝説の男――。
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「組んですぐ全開」がわれらの矜持
今年、「トヨタ・ガズーレーシング(TGR)」が世界耐久選手権に送り込む最新鋭マシン、2017年版TS050ハイブリッド。搭載するエンジンの主要部品、カムシャフトとシリンダーヘッドを手掛けるのがタマチ工業だ。
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富士の麓の「体育館」に工作機械がずらり
第1回は「タマチ工業」さん。トヨタのレーシング用エンジンの開発、製造に携わる主要メーカー3社のうちのひとつだ。イラストレーターのモリナガ・ヨウさんと、西富士の工場にお邪魔し、米内 淨社長にお話を伺った。
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全8回