最初は、それまでスーパーで買っていたものが営業時間に買えなくなるから、コンビニで済ませようとか、補助的な要因だったのです。ところが、通い始めたら、プライベートブランド(PB)商品が充実しているとか、実はものによってはスーパーより安いじゃないかとか、スーパーにはないおいしさが見いだせるとか、様々な発見があったのです。すると、コンビニの方が魅力的に見えてきて…。

「ベーシック先生」こと、日経ビジネスベーシック編集長の谷口徹也

べー先:読者のために補足すると、PBとは、小売業者や流通業者が企画して販売している商品のことですね。

 セブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」や、イオンの「トップバリュ」などがあります。これの反対の意味になるのがナショナルブランド(NB)で、メーカーのブランド名やマークがついています。

壇蜜:ご説明ありがとうございます。

 コンビニにあるPBはテレビCMや雑誌を通じた情報発信との相性もいいです。新しいものが出たよといった情報が分かりやすいですよね。スーパーは、セールとか低価格を打ち出すしかないですが、コンビニは「ホットスナック、今月はこれがおいしい」とか、特定して攻めてくる。そうするとこちらも購入意欲がそそられます。

べー先:お薦めとか、新しさをお店側から言ってほしいと。

そこでくじを引いている自分がいる

壇蜜:そう、分かりやすくていいんです。例えば、スーパーに「冷凍食品10%オフです」と言われても詳しい商品や売り場が目に浮かびにくい。コンビニの宣伝はそこにどーんと商品が見えてくるから、「お金を出してもいいや」と思う頻度が高いように思います。

べー先:必ずしも安くなくても、ストーリー、打ち出しがあるものや、それを演出しているところで買い物をしたいと。

壇蜜:そうですね。

 あと、コンビニは年間を通じて、行事を使い回すのが上手ですよね。セブンイレブンは、毎年タイミング良く「おでんの季節がやってきた」。ファミリーマートは、アニメやアイドルと連動したキャンペーンをやって、ある一定額以上の商品を買うとくじを引けるとか。

 くじに当たってもらえるものは在庫処分品かもしれないと思っていても、そこでくじを引いている自分がいる(笑)。もはやゲーム感覚です。

 最近、ケータイの課金制ゲームにはまる人の気持ちが分かる。私はコンビニで700円以上買い物をすると引けるくじに、何らかのギャンブル性というか充足感を求めていると思うのですよ。

べー先:壇蜜さんは若いなあ。そのノリは、10代の感覚ですね。

壇蜜:そうですね。おそらく、自分なりに堅実な生活をしなければと思って身を正している反動が、コンビニでの買い物に出ていると思います。結果、堅実になっていないという…。

 コンビニでいろいろなものを迷いながら買うようになってから、通信販売で目に付いたものをパッと買うことがなくなりました。自分の底なし沼みたいな購入欲が、コンビニで満たされている気がします。

べー先:一度は便利な通販に流れたものの、また、リアルな買い物に充足感を覚えるようになった。