子育てが終わると老後に備えた貯蓄が本格化

 夫がサラリーマンだとすると、多くの場合、年功序列や昇進・昇格によって給料は次第に上がっていきます。妻はずっと非正規社員だとすると、収入はおおむね一定でしょうが、夫婦で合計すると収入は徐々に増えていくことになります。

 一方で、支出も増えていきます。結婚費用、子育ての費用、子供の教育費、住宅関係の費用などがかかってきます。年功序列の賃金というのは、「単に年上というだけで給料が高いという納得いかない制度だ」と若者は思っているかもしれませんが、生活費が上がると共に給料が増えていくという意味では、合理的なのかもしれません。

 子供の教育費がかかっている間は、なかなか貯金ができませんので、老後のための資金を本格的に貯めるのは、子供が就職してから定年までの間です。夫が55歳の時に子育てが終了し、定年が60歳だとすると、最後の5年間は思い切り貯金をする時期になるわけです。

 多くのサラリーマンには、退職金が出ます。会社にもよりますが、1000万円を超すような金額になるようです。それから、期待するのは不謹慎かもしれませんが、親からの遺産も入るかもしれません。日本の高齢者は、長生きした時に備えるために、結構な金額の金融資産を持っていますので、遺産もそこそこの金額になる場合が少なくないのです。

老後は年金で暮らし、足りない分は蓄えを取り崩す

 老後は、大した収入はないでしょうから、年金が頼りとなります。年金は、どんなに長生きしても死ぬまで受け取れますから、非常に心強い存在です。火災保険が火事になった人を助けるものであるのと同様に、年金は「長生きして生活費がかかる人」を助けるものだと考えてよいでしょう。

 もっとも、年金だけで暮らしていくのは大変ですから、少しずつ貯金を取り崩して足りない分を補っている高齢者が多いようです。その分は、現役時代に貯めておく必要がある、ということ。

 自営業者はサラリーマンとは違って、退職金もありませんし、年金も比較的少ないのですが、定年がないので、高齢になっても元気な間は働いて収入を得ることができます。

 さて、駆け足で一生の間のお金について見て来ましたが、おおまかなイメージがつかめたでしょうか。次回からは少し詳しく見ていくとして、今回はここまでにしておきましょう。