サラリーマンの生涯所得は、平均すると2億5000万円程度です 。妻がずっと(結婚前から60歳まで)非正規社員として働き続けたとすると、生涯所得は1億円程度です。夫婦2人で合計3億5000万円程度の収入ということになります。

 この中から、自分たちの生活費、税金などを支払うほか、子育て費用、年金保険料などを支払い、老後のために貯金もします。子育て費用については、「親に払ってもらった自分の費用を、親に返す代わりに子供のために使う」と考えれば、結局自分の費用を自分で払ったのと同じ計算になります。

 年金保険料については、貯金ではありませんが、これを支払うことで自分の老後の年金が受け取れるのですから、貯金と同じようなものだと考えておきましょう(後述します)。

 先に示した概算だと、1人が一生に使う金額が1億5000万円ということでしたから、3億5000万円が夫婦2人の一生の稼ぎであれば、税金などを支払っても何とか足りそうです。

給与からは「社会保険料」が差し引かれる

 稼いだ中から、税金を払います。政府が、自衛隊や警察や消防や義務教育などの行政サービスをするために経費がかかります。それをみなさんも分担させられているのが税金です。決してうれしいものではありませんが、これは仕方がありません。

 働いていれば、「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」も払います。40歳からは「介護保険料」も追加されます。これらは総称して「社会保険」と呼ばれるもので、皆から保険料を集めて、困っている人に支払う、という性格のものです。健康保険は病気の人のため、厚生年金保険は老後の生活費のため、雇用保険は失業した人のため、介護保険は介護を受ける人のために支払われます。

 助け合いの仕組みだと考えてもいいですし、家を買った時の火災保険と同じようなもので、万が一の時に備えるためのものと考えてもよいでしょう。ただし、助け合いや火災保険などは自発的なものですが、税金と社会保険料は法律で国民に義務づけられているという違いがあります。

 年金は、自分で支払った分がどこかにプールされていて、自分に戻ってくると考えている人も多いようですが、そうではありません。上記のように社会保険ですから、現役世代が払った保険料は高齢者のために使われます。もっとも、現役世代が高齢者になった時には、その時の現役世代が払った保険料を受け取ることができますから、結局は自分が支払った保険料が戻ってくるのと似たような結果になるわけです。少子高齢化が進むと、払った分より受け取る分が少なくなる可能性もありますが、その話は別の機会にしましょう。

 サラリーマンの場合は、税金も年金保険料も会社が給料から勝手に天引きしてくれますので、払うか払わないかを悩むこともありません。また、何の名目で毎月いくら払っているのかも知らない人が多いかもしれません。そういう人は、この機会に給与明細を一度しっかり見てみましょう。