
<筆者からのメッセージ>
あなたは先月、いくら稼いで、いくら使いましたか。去年はどうでしたか。では、あなたは一生の間にどれくらいのお金を使うのでしょうか。そして、そのお金はどうやって稼ぐのでしょうか――。
このシリーズ「20代からのお金設計術」では、身近なお金について勉強するとともに、それが社会のお金の流れとどうつながっているのかを解説していきます。自分の財布を題材にして経済の仕組みを勉強する、と考えてもらっていいでしょう。初回は、駆け足になりますが、身近なお金の全体像をつかんでいきます。そして次回以降、項目別に少し細かく解説していきます。
一生で使うお金、1億円では足りない
みなさんは、「1億円」と聞くと、自分とは縁のない単位の金額だと思うかもしれませんが、そんなことは全くありません。日本人が平均的な人生を送るとすると、一生の間に使うお金は1億円以上になるのです。
83歳まで生きるとすると、人生は約1000カ月になります。1カ月あたりの生活費を15万円とすると合計1億5000万円かかります。この数字はあくまで概算で、生活スタイルによって大きく違ってきますが、まず始めに大まかなイメージをつかんでください。
大卒で就職し、残された人生があと60年だとしても、720カ月もあります。余談ですが、毎月1万円ずつ多く使うか否かで、720万円も変わってくるのです。まさに「ちりも積もれば山となる」ですね。
では、一生の間に1億5000万円を使うとして、その金額をどう工面するのでしょうか。資金面を考える場合、人生が大きく3つに分かれます。第1期は親に養ってもらう時代、第2期は自分で稼ぐ時代、そして、第3期は、定年後です。
サラリーマンの生涯所得平均は2億5000万円程度
親に養ってもらう第1期では、高卒で就職した場合で2500万円程度、大学卒の場合で3000万円以上かかると言われています。もちろん、親の生活レベル、公立か私立か、といった様々なことで個人差は生じますが、とにかく大金であることに変わりありません。
第2期は現役時代で、自分で稼ぐ時期です。この時期は、さらに個人による差が非常に大きいのですが、とりあえずサラリーマンの夫と非正規社員である妻に子供が2人いる家庭を想定してみましょう。
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