「自分とは価値観が異なる相手との取引ほど、利益が大きい」という結論は、ビジネスの展開を考える上で非常に重要です。自分にとって何の価値もないものに価値を感じる人、自分が大切だと思うことを軽視している人を探すことこそが、ビジネスの出発点です。

 自分が手に入れた、特に興味がないアイドルの握手券を売るのに最適な相手は、そのアイドルの大ファンの人です。そして、多くのビジネスマンにとって最大の資産である「自身の労働力」を販売する場合も同じです。例えば、あなたにとって英語を日本語に翻訳することが対して苦にならない作業だとしましょう。それであれば取引相手として最適なのは、翻訳にものすごく苦痛を感じている人、となるわけです。

違う人との接触を増やすことが、経済学的には正しい

 価値観の異なる取引相手こそ、お互いに利益が大きい取引ができる可能性が大きい…。

 説明すると当たり前のように感じられるかもしれません。にもかかわらず、私たちは同じような好み、同じような能力を持っているもの同士で「連(つる)み」がちです。

 なぜ取引相手として最適な相手とより多くの時間を過ごそうとしないのですか? 
 なぜ仕事を分担し合う相手として最適な人と組んで仕事をしようと思わないのでしょう? 

 自分とは何か違う人との接触機会を増やすこと。ここに(金銭的なモノに限らない)大きな利益が眠っているのではないでしょうか。そういう意味で「なんとかファースト」には、経済学的には大いに疑問がありますね。

[3分で読める]ビジネスキーワード&重要ニュース50

 今さら聞けないけど、今、知っておきたい――。ネットや新聞、テレビなどで日々流れている経済ニュースを読みこなすための「ビジネスパーソンのための入門編コンテンツ」がムックになりました。

 新進気鋭のエコノミスト、明治大学政治経済学部准教授・飯田泰之氏による「2017年の経済ニュースに先回り」のほか、「ビジネスワード、3ポイントで速攻理解」「注目ニュースの『そもそも』をすっきり解説」「日経会社情報を徹底活用、注目企業分析」「壇蜜の知りたがりビジネス最前線」などで構成されています。

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