入山:永守さんのそういう事業構想力は、何年ぐらい先を見据えて作ったものなのですか。「今、10年後に売上高10兆円を達成する」とおっしゃっていますよね。

永守:10兆円は今のところ大ぼらだね(笑)。でも、実現したい気持ちでいるから嘘ではない。では、どう違うんですかというと、「ほら」といっても、絶対これをやるぞという気持ちはあるんです。強く。でもまだ先のこと。

 それから「夢」の方、私は売上高2兆円を夢としています。夢は必ず実現するんです。だから、2020年に2兆円は達成するつもりです。

「やがてみんながドローンで通勤する時代になる」

入山:だいたい10年先ぐらいまでを予想して動いているのですか。

永守:本来は、30年先ぐらい先を見ないといかんと思っているんですよ。

 例えば僕は今、「マイドローン」の時代が来るといっている。クルマの先ですよ。人々がドローンを1台ずつ持って、それで通勤してくると。自分の会社の屋上に停めたりしてね。道路にはクルマが走るけど、その上の2メートルぐらいのところを、朝、ドローンで通勤するようになるんじゃないかと考えているんです。

入山:なるほど。すごいな。何と。

永守:その時代が来ると言っているわけね。うちは5~6年前からドローンのことも研究をやっているんですよ。だからそれは実現しますよ。

入山:なるほど。今、世界は自動運転だ、クルマだといっているけど、永守さんは、ドローンの時代を見ているわけですね。

永守:僕らが小さな頃、「鉄腕アトム」という漫画を読んでいたら、アトムが自分用の電話を持って話しているわけ。まさかと思っていたけれど、今は携帯電話の時代になっているからね。

 それと、今から120年前、京都大学の学生とか学者が100年後の社会を予想したらしいんですよ。そのときはまだ牛が荷車を引いていて、鉄道もやっと蒸気機関車が通り始めたくらい。その程度のときに、100年後には国民全員がクルマを持っていると予想したらしいんですよ。

入山:なるほど。実現できていますね。

永守:ほとんど当たっている。だから僕らでもそういうことを予測して、自分は100年後は生きてないから、現役でやれる時代、今からだとせいぜい例えば20年後はどうなるか、とか考えるわけです。

 それぐらいのところは、事業経営者としては見てないといかんですよね。だから15年先、10兆円なんて言うと、みんなまたほらを吹いてというけど。これは可能性があるんですよ。ほらには、可能性があるんですよ(笑)。

入山:ドローンが人を乗せるのって、どのぐらい先だと思いますか。

永守:僕はおそらく、少なくとも2030年までには実現すると思うんですよ。

入山:そうですか。じゃあ、もう15年しかないですね。

永守:荷物はこの数年で実現しますよ。大きな荷物を運ばないといかんから、ものすごく高性能のモーターを使わないとだめ。うちはその研究もやっているわけ。