5カ国の担当者が商品開発会議
昨夏にはサントリーの商品開発研究所と同センターが連携して開発した「ジムビーム シトラスハイボール」が発売された。サントリーの果汁などの活用技術と、ビームサントリーのウイスキーのブレンド技術などを組み合わせて商品化。研究員らは出張で互いの拠点を行き来したり、ビデオ会議をしたりして議論を深め、味付けなどを改良して商品化した。
日米以外も含めて5カ国約30人の開発担当者は定期的に「商品開発会議」を開き、日々の研究での気づきや情報を共有しながら商品開発での刺激を与え合っている。同センターを統括するバイスプレジデントのメアリーケイ・ボールズ氏は「サントリーとは日々学び合いながら、互いの資産を生かすことで新しい価値のある商品を作り出していける」と期待を込める。
マーケティングや営業の面でも「ビームサントリーからは多く学ぶところがある」と新浪社長が話すように、商品のブランド力を高めたり売り場での存在感を高めたりするための施策はビームサントリーが得意とするところだ。
ケンタッキー州の中心都市であるルイビルには昨秋に、ジムビームの旗艦店となる「ジムビーム アーバンスティルハウス」を開設。ジムビームブランドのウイスキーや関連グッズも購入できるが、最大の特色は同店で蒸留する限定バーボンだ。来店客は試飲のほか、ボトルにバーボンを詰める工程を体験し持ち帰ることもできる。
各蒸留所は見学ツアーなどで訪れる人も多く、ケンタッキー州の観光名所となっている。ただ、アーバンスティルハウスはジムビームのブランドをさらに浸透させ若い顧客も取り込むため、街中に出店して積極的な情報発信も図る。担当するバイスプレジデントのケヴィン・スミス氏は「ジムビームの歴史や伝統、新しい挑戦を消費者に伝えることがブランド力のさらなる向上につながる」と強調する。
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