今回お届けする「イノベーション100委員会」の座談会(開催は2017年2月15日)。出席者は、三井住友フィナンシャルグループの宮田孝一会長(座談会開催時は、同社長)、野村ホールディングスの永井浩二CEO、ハーツユナイテッドグループの玉塚元一社長(座談会開催時は、ローソン会長)の3名だ。いずれも日本のビジネスの根幹をなす業界の雄だが、彼らの共通の思いは「変わる」だった。顧客が変わるから会社が変わる。そうしなければ生き残れない。そのためには個々人が変わらなければいけない。ビジネスパーソン一人ひとりにとって、今はのっぴきならない危機であるとともに、最大のチャンスでもあると彼らは語る。
宮田孝一(みやた・こういち)氏
三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)取締役会長。1976年三井銀行入行。市場資金部長、市場営業統括部長を経て、2006年三井住友銀行常務執行役員、2009年専務執行役員に就任。三井住友フィナンシャルグループ専務執行役員を経て、2011年に社長に就任し、2017年4月より現職。「柔軟な発想」には専門性が重要として、自身の時々の問題意識に合わせた読書を習慣とする(写真:北山 宏一、以下同)

 「変わるということが当たり前にならなければいけない」と宮田氏は言う。その国の経済の屋台骨を背負う銀行業。その業態や仕事の中身もまた、「変わらないといけない」と言い切る。

 「SMFGの役目は、個人のお客さまにはより豊かな生活、法人のお客さまには事業の展開、というそれぞれの成長をお手伝いすることです。足下を見れば、政治・経済環境の変化、ITの進化により、お客さまの行動様式が変化し、それに伴ってニーズも変化しています。また、イノベーションのコストが下がり、他業種からの新規参入が増える一方、我々自身がITやテクノロジーをうまく使うことでコストを下げられるようになっています。こうした需要面、供給面の双方が『変わることが当たり前の世界』に突入している状況のもと、新しい技術をうまく活用しないとビジネスモデルの競争力を維持できないと考えています」(宮田氏)。

 今はそうした時代なのだ。「エスタブリッシュメント」を体現している銀行であっても、とどまっていてはいけない。まさに「山も動く」時代であるわけだ。