FiNCの溝口勇児氏(以下、溝口):私は17歳のときに、パーソナルトレーナーとしてのキャリアを始めて、主にプロのアスリートや、膝や腰が悪く日常生活が困難で、リハビリテーションを必要とされる方、深いコンプレックスを持たれている方を対象に7年間ほど現場で活動しました。

FiNC 代表取締役社長 CEO。 高校在学中からパーソナルトレーナーとして活動。延べ数百人を超えるトップアスリートや著名人のカラダ作りに携わる。数多くの新規事業の立ち上げにも携わり、数々の業績不振企業の再建を担う。 2012年4月にFiNCを創業。あらゆるヘルスデータが集まるプラットフォームアプリ「FiNC」をはじめ、企業の働き方改革や健康課題をトータルで解決する法人向けサービス「FiNC for BUSINESS」などを手掛ける。「今はすべての机や家庭にコンピューターが行き届いたように、すべての人にAIによるパーソナルコーチを届けたい」。「Wellness&Beautyの新しい世界を作りたい」との夢を語る。
しかし、自分一人でいくらがんばっても、対面で指導できるお客様の数は限られています。そんなジレンマに悶々としていましたが、気が付くと、スマートフォンが普及し、IT環境が進化していて、対面で提供しているレベルのサービスをもっと多くの人に非対面でも提供できるはずだと思い立ち、2012年4月にFiNCを作りました。
我々がやりたいことは、健康寿命の延伸です。そして、コンプレックスに悩む人たちを一人でも減らしたい。重い腰痛、膝痛に悩む人を減らしたい。そのためにはどうすればよいのか。健康を害する症状の根っこである、運動、栄養、休養の悪しき習慣をテクノロジーの力で変えるお手伝いをしたい。日本発で、世界で勝つことを目指して、大きなプラットフォームを作っているところです。
C Channelの森川亮氏(以下、森川):私は大企業で15年ほど働いた後、ベンチャー企業に転職し、前職ではLINEを生み出して、世界の方々と仕事をしたのですが、とにかく日本人も日本企業もどんどん元気がなくなる中で、何とか日本に恩返ししたいなと思いました。

C Channel 代表取締役社長。1989年、日本テレビ放送網入社。2000年にソニーに移り、新規モバイルコンテンツ事業、ブロードバンド事業などを担当。2003年、ハンゲームジャパン(後のLINE)に入社。LINEを生み出し、2007年に同社代表取締役社長に就任した後、2015年に退任。同年4月に、女性向けの動画メディアを提供するC Channelを立ち上げ、取締役社長に就任。 徹底的にムダを削ぎ落とし、ひたすら「ユーザー目線」に立って、シンプルに考えるという経営姿勢を貫く。
なぜ今の仕事を始めたかというと、学校に行って、子どもたちに将来なりたい仕事を聞くと、政治家とか経営者とは言わないのですね。「夢は係長」と言うわけです。こうなった責任の一端はメディアにあると思っています。現在、メディアが発信する情報があまりに夢がない。そのために多くの子どもたちは、「大人は信用できない」というふうに思ってしまっていて、優秀な子ほど海外に出たいと思っています。
もちろん教育現場も課題が山積みですが、私はまずメディア産業を変えていきたいと思い、今の事業を始めました。日本のよいところを、もっと海外に発信したいという狙いもあります。
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