これから必要な大企業とベンチャー企業の効果的な座組みを考える

阪根:当社のランドロイド開発チームは今、社員が60名くらいと、パナソニックさんから7名来ていただいて、67名でやっているのですが、社員60名のうち40名あまりが大手家電メーカーで早期退職制度に応募した52歳以上の方々なんですね。ですので、ランドロイドのラボは、若いイケイケの技術者がいるベンチャーのイメージとは異なります。

 その方々は我々若手にはない経験をお持ちです。日本の一流企業で十分にトレーニングをされているし、いつまでも現役でいたいというので転職を決意された方々です。

 そして、私たちのようなベンチャー企業に入ってくるということは、滅茶苦茶チャレンジしたい人たちなので、マインドもあるし、しかも、多くがバブル世代の人たちなので体力もある。この人たちは、私たちが立てている事業開発計画を、「こんなの全然駄目だよ」と言って作り直してくれる。耐久テストも、しっかりした研究施設に話をつけてくれて、試作機の10年耐久試験などを手配してくれる。

 日本には、彼らのような優秀なエンジニアが沢山いる。マーケティングや営業の分野にも、それこそ数知れないベテランがいるわけです。必要なのは効果的な座組みなのだと思っています。

溝口:誰もが知る大手企業との提携の話が進んでいた中で、アライアンスの責任者の方にAWS(アマゾンウエブサービス)を使っていると、「それだと、うちはダメです」と言われたことがあります。クラウドは禁止というのです。その会社は 「ベンチャー企業とのオープンイノベーションを推進したい」と決算説明会などでも宣言をしていました。

 私はおこがましくも、その会社の会長と社長に直談判しに行きました。その場で「クラウドのデータサービスを使っている会社と連携できないというのであれば、ベンチャーとのオープンイノベーションは難しいです。方針を変えられないのであれば、それをもう言わないほうがよい」という話をしました。

 経営者であるお二方は、そのような旧態依然としたルールが存在していることに驚いてらっしゃいました。決して現場の方達に悪気があったわけではなく、今までのルールで可否を考えてしまっていたのです。これでは新しいチャレンジは難しいですよね。

 私は大きな企業になればなるほど、意思決定する人たちにまで、適切な情報が上がっていないことが、かなりあるように思います。ですから、その間を私たちベンチャーがつなぐという座組みもこれからは必要ではないかと思いますね。

 資生堂のように、経営トップが直接、現場に出向く会社か、一段一段ハシゴを上がっていかないと現場がトップには辿り着けない会社かで、そこは大きく違ってきそうだ。