鼎談を終えて

左から日東電工の髙﨑秀雄社長、日本ユニシスの平岡昭良社長、オムロンの山田義仁社長

 日東電工は「イノベーションそのものが事業」という考え方でイノベーション活動の日常業務化を全世界で行なっている。日本ユニシスは「成功のKPI(重要業績評価指標)は失敗の数」という逆説的な考えで、イノベーションの源泉である「試してみる」ことを社長自らが体現している。そして、オムロンは、「企業理念に共鳴するマネジメント」として、ベンチャー精神を全社で活性化する仕掛けを世界中の社員を巻き込んで進めている。

 3社の経営者に共通しているのは「イノベーションの日常業務化」だ。明確な哲学に基づいた具体的な取り組みを通じて、一部の人間が行うのではなく、日常から、組織全体として当たり前のようにイノベーション活動を推進する。そして、会社が陥りがちな弱点を見定め、前倒しに手を打っていく。必要に応じて、新規事業の芽を、時には敢えてメインストリームから隠し、育てる。

 3社とも、アイデアが潰されることや、組織内に壁ができるという現実を冷徹に踏まえた上で、それを乗り越える仕掛けを経営として実践ことで、イノベーションを企業文化に昇華させている点が見事だ。