(前回から読む)
東大農学部時代に出会った「ミドリムシ」の屋外大量培養に成功し、その実用化のために会社を興したユーグレナの出雲充氏。ユーグレナは典型的な研究開発型の企業であり、世界の栄養問題の解決が主眼だが、現在ではバイオ燃料や化粧品、医薬品なども視野に入れる。社員が自ら、毎日のように新たな創業を目指せるような環境を整備すると言う出雲氏が、経営者として、とくに力を入れる2つの「行動指針」について聞いた。
日常的に創業が興る環境を創る
行動指針4_社員が存分に試行錯誤できる環境を整備する
ユーグレナを創業した出雲氏は、「従業員のなかに、私の顔色を見ているメンバーなんて、ひとりもいない。皆、私が考えつきもしないようなミドリムシ・ビジネスをどんどん考えます」と笑う。

出雲氏はあくまでも栄養価の高さからミドリムシに着目し、世界の栄養問題を解決するために研究を始めた。だから、そのミドリムシでバイオ燃料を作るとか、化粧品や薬を作って売るといった発想はなかった。「それらはすべて、私のアイデアではありません。メンバーが考え始めたことなのです」(ユーグレナの出雲社長)。
ユーグレナはミドリムシの培養から、原料販売、OEM、さらに製品販売までを手掛けるが、あくまでも研究開発型の企業だ。だから、「技術起点でないと強みがない」と出雲氏は言い切る。
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