横山:また、これは私自身の話ですが、国立情報学研究所の喜連川所長と知り合い、「アセットマネジメント業におけるビッグデータの活用をテーマに研究をしてみたい」とおっしゃるので、提携しました。

 その時の経験もあって、日本郵便で「この会社を変えていくための提言をしてほしい」と社内で意見を募ったのです。すると、組織の壁を越えた30歳前後の人たちが手を挙げてくれ、55ものチームが提案を出してくれました。

 嬉しかったですね。価値観の同じ人間が集まっている会議などの場では、決して出てこないような事態をブレークスルーするようなアイデアもありました。その提言のうちいくつかは、すでに経営計画の中に入れていくことが決まっています。

 提言の中には、いささか「青臭いな」と思うものもありましたが、「意外と重要かもしれない」と思いました。まさに、やってみることが大切な時代だと思っています。

 また、こうした提言だけではなく、自ら施策を提案してくれる社員もいました。その中の一つに、「スタートアップ企業から意見を求めてみよう」というものがありました。まさにオープンプラットフォームですね。

 このアイデアについてはすぐに実行に移して、昨年の9月に募集を開始しました。最初のテーマは「郵便・物流事業をどう変えていくのか」です。「より効率的な配送の方法があるか」など、いくつかの観点で募集し、かなりの数のスタートアップ企業に応募をしていただきました。

 審査委員には外部の方々にも入っていただき、オープンな場で審査し、発表しました。そこには他のスタートアップ企業の方々にも参加していただいたので、また違う形で応募、提案をしていただければと思っています。次回は、例えば「郵便局の窓口でどんな革新的なことができるのか」といったテーマでアイデアを募りたいと思っています。

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