左からヤマハの中田卓也社長、花王の澤田道隆社長、TOTOの喜多村円社長(写真:北山 宏一、以下同)

 奇しくも同じ年に社会人となり、それぞれの会社でトップとなったTOTO、花王、ヤマハの各社長。今、改革に挑み続けている“同期”3人が、「イノベーション100委員会」(※)で一堂に会した。TOTOはビジネスモデル改革に挑み、花王は閉塞感を打破するため経営会議を変革、そしてヤマハはドラスチックに組織を変革している。時代の先端にあって、決して改革の歩みを止めない三者三様の打ち手は注目に値する。

 消費者のライフスタイルに直結する事業を本業とする3社。顧客の価値観が多様化する21世紀に入って、なお成長する会社を率いる3人は、どのようなイノベーションを積み重ね、社内を改革してきているのだろうか。

TOTOの喜多村円氏(以下、喜多村):私たちが扱う主な商品は、トイレにしてもお風呂にしても、生活に欠かせない住宅設備機器です。そういう意味では、それらを開発・製造し、販売している私たち自身もユーザーなので、自分たちが「こんなふうになったらいいね」というものを商品化すればよい。それはメーカーとしては恵まれた環境だと思っています。

喜多村円(きたむら・まどか)氏
TOTO代表取締役 社長執行役員。1981年、東陶機器(現・TOTO)入社。経営企画部長、浴室事業部長、常務執行役員、専務執行役員を経て、2014年4月より現職。グローバルな視点での組織変革、商品開発を推進。創業者の言葉にこもった「需要家の満足を求める」という思いを大事に受け継ぎ、ものづくりに徹底してこだわる。

 簡単ではないのは、私たちのイノベーションはお客様価値で語れないと意味がないということです。「こうしたらきっと便利になるよね」「清潔だよね」「気持ちがいいよね」ということにこだわり続けて、自分たちが使ってみて「これはいい!」と思える商品を開発し、たとえそれが売れない時期があっても、我慢強く売り続けてきました。そうした商品の代表例が「ウォシュレット」です。

(※)イノベーション100委員会とは
 企業がイノベーションを興すための方法を探るために変革の思いを持ち、行動を起こしている企業経営者がイノベーション経営について議論する場。「イノベーション経営を進める大企業経営者が100人になれば、日本は再びイノベーション国家になる」との思いを持ち、経済産業省、株式会社WiL、一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)が2015年より共同運営している。