経済産業省、株式会社WiL、一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)が共同運営している「イノベーション100委員会」では、企業がイノベーションを興すための方法を探るために、変革の思いを持ち、行動を起こしている企業経営者に、2015年から座談会やインタビューでイノベーション経営について議論してきていただいた。その結果見えてきたのは、「変革を起こす経営者の姿」である。本連載では、変革に向けた挑戦を続けている経営者の皆さんのイノベーションに関わる思いと行動を世界各国の最新のイノベーション事情を交えてお伝えすることにより、日本が技術立国から価値起点のイノベーション立国に脱皮していく一助になればと思う。
シリーズ
日本と世界の最新イノベーション事情

完結
28回
-
旧態依然の組織構造がイノベーションを妨げる
「大企業ほど、意思決定をする層に適切な情報が上がっていない。そこに、ベンチャーの役割がある」と指摘する Channelの代表である森川亮社長。イノベーションを興す上での課題は何か。
-
イノベーションを生むのは人、人、人!
イノベーションを興すためには、ボトムアップでは限界がある。では、トップはどのような意識を持ち、動くべきなのか。大企業とベンチャー企業という垣根を越え、新たな挑戦を続ける経営者5名が率直に語り合った。
-
「使えない」異質な人材がイノベーションを興す
「イノベーションの本質は知と知の組み合わせだ」──有能な才能だけではなく、異質な才能との化学反応が、会社の原動力となる。
-
8割反対されてこそ、価値あるものが生み出せる
「効率よく利益を得ること」と「研究開発という将来への種まき」という相反する柱を伸ばすには、どうすればいいのか。本田技術研究所の松本宜之社長と、日本の情報通信の第一線を走り続ける沖電気工業の川崎秀一会長が語り合った。
-
ゼロから1を生み出すために多様性を味方にした
社会が求めるものを捉え、事業に生かし、イノベーションを興すためにはどうすればいいのか。カネカは最終商品の消費者に触れ、課題を見出す「消費者に近い会社」を目指す。一方で日本郵便は、社外とのつながりを築きオープンイノベーショ…
-
「仕事がなくなるかもしれない」危機感がバネに
時代の流れによって、社会が求めるものは急速に変化してゆく。その中で、自社の強みを生かし、需要を作り出していくためには、どのようにすればいいのか。大手化学メーカーカネカの角倉護社長と、日本郵便の横山邦男社長が、変革の経緯を…
-
早く車庫から出す!花王、TOTO、ヤマハが共鳴
イノベーションを興すには、「安定」に甘んじず、「化学変化」を起こし続けることが必要だ。そのために、社内をどのように改革すればいいのか。花王、TOTO、ヤマハの“同期”3社長に、変革の道筋を聞いた。
-
花王、TOTO、ヤマハの“同期”社長が意気投合
消費者のライフスタイルやニーズが目まぐるしく変わり、かつ多様化が進んでいる。企業はこの変革の時代をどう切り抜ければいいのか。花王、TOTO、ヤマハの3社のトップたちにイノベーションの道筋を詳しく聞いた。
-
守るべきものがあるから、変革し、協創する
自社の限界を突破するためには何が必要か。パートナーとの協創を進めるドコモ、ITとコンサルティングとの協業に活路を見出した野村総研、組織統合を乗り越えたパーソルホールディングスのトップたちが語り合う。
-
本業の危機から復活、SCREENとオリンパス
印刷関連機器、ディスプレー製造装置、半導体製造装置などを製造するSCREENホールディングス、そして光学機器、電子機器などを製造するオリンパス。この2社は、まさに「本業の危機」を経験している。では、どうやってその危機を克…
-
地域の「草の根イノベーション」を拡げろ
ルーマニアの大学都市で開催された欧州委員会の会議。テーマは「オープンイノベーション2.0」である。同国はEU地域で最も所得が低い国のひとつで、国別イノベーション指標でも最低位グループに属する。こういった会議の開催を通じて…
-
欧州「ソサイエタル・イノベーション」とは
「世界のイノベーション事情」といえば、米シリコンバレーを思い浮かべる人が多いが、今回は欧州を取り上げる。どちらかといえば社会的課題を多く抱え、それがイノベーションの起点ともなり得る点で日本の状況に近いからだ。
-
パナソニック社長:失敗のスピードを速めよ
長期に独占できる市場づくりは不可能に近いからこそ、パナソニックの津賀社長は「短期的にコンペティターの少ない世界を作り出す」と宣言する。そのためには「失敗するスピードを高める必要がある」という。その真意とは?
-
旭硝子社長:30年後のニーズを予測して逆算する
レンジで事業計画を立てなければならないのが素材メーカーの宿命だ。そこを逆手に取って、未来のニーズを先取りしようとしているのが旭硝子だ。島村社長は「30年後の社会のニーズを予測し、そこからバックキャストする」という。
-
三井不動産社長:入れ物で勝負する時は終わった
2020年の東京五輪までは右肩上がりの景気が予想されている不動産業界であるが、そうした状況に安住していてはイノベーションのジレンマに陥ってしまう。三井不動産の「箱物で勝負する時代は終わった」と断言する。その真意とは?
-
当事者意識と自立心のない社員は要らない
ローソン前会長でハーツナイテッドグループ社長の玉塚元一氏が社員に求めるのは、「当事者意識と自立型人材」だ。その真意を語った。
-
顧客ニーズに対応できた者だけが生き残れる
野村HDの永井CEOは、テクノロジーの進化がもたらす影響がますます大きくなっていることに、驚くとともに、恐ろしさすら感じると言う。その意味することとは?
-
社会が変わるのに我々が変わらないでどうする?
三井住友フィナンシャルグループの宮田孝一会長は「変わるということが当たり前にならなければいけない」と。その国の経済の屋台骨を背負う銀行業。その業態や仕事の中身もまた、「変わらないといけない」と言い切る。
-
「多産多死のマネジメント」オムロン山田社長
オムロンには長期的な視点で投資する社内ファンドのような予算がある。山田社長は「よいアイデアがあったら、まずは取り掛からせる仕組みを作って、この予算でバックアップしています」と語る。
-
「成功のKPIは失敗の数」日本ユニシス平岡社長
社員が存分に試行錯誤できる環境を整備するにはどうしたらいいか?日本ユニシスの平岡氏は社長に就任する前から私塾を開き、「失敗をよしとする文化を醸成しました」と言う。
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回