
米大統領選、“影の主役”だったプーチン大統領
互いに醜聞を抱え、米国史上でもほとんど例のない「嫌われ者」同士の戦いが終わった。米大統領選は激戦の末、共和党候補のドナルド・トランプ氏が民主党候補のヒラリー・クリントン氏を破って勝利した。冷戦の再来といわれるほど冷え込んだ米国とロシアの関係は、政治経験のないトランプ次期政権の下でどうなるのか。
今回の米大統領選の影の主役はだれか。ロシアのプーチン大統領だったといっても過言ではない。トランプ、クリントン両氏によるテレビ討論会では頻繁に「プーチン」の名前が登場したからだ。
たとえば10月後半、ラスベガスで開かれた第3回テレビ討論会。
クリントン氏「(プーチン大統領は、あなたのように)米大統領が操り人形のほうが良いと思っているでしょうね」
トランプ氏「いや、操り人形ではない。そうではない」
クリントン氏「明かなことは……」
トランプ氏「操り人形はあなたのほうだ」
米国のウェブサイトなどへのハッキングやサイバー攻撃を「クレムリンの最高レベルの指示だ」と公言し、そうした諜報活動をトランプ氏が奨励するだけでなく、北大西洋条約機構(NATO)の解体などプーチン大統領が望むことを実現しようとしているとクリントン氏は非難した。
対するトランプ氏は「米国がロシアと仲良くできれば、それほど悪いことではない」と述べる一方で、クリントン氏がプーチン大統領を嫌いなのは彼の方が賢く、いつも出し抜かれてきたからだと反論した。プーチン大統領は2人の泥仕合の格好のネタとして使われたわけだ。
では、プーチン大統領自身はそんな米大統領選をどうみていたのか。
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