女装した男性の米外交官が公衆トイレで着替え?

 今年6月、米国で「ザ・プーチン・インタビュー」という番組がテレビで放映された。米映画監督のオリバー・ストーン氏が複数にわたって重ねた大統領インタビューをもとに制作したものだ。この中でプーチン大統領は「2000年も、2012年も、米国はロシアの選挙に干渉してきた。干渉はいつもあった。特に2012年は激しい干渉があった」と述べている。いずれも自らが出馬した大統領選を指しているのは明らかだ。

 大統領はさらに「(米国の)外交官がロシア国内の選挙戦に精力的に関与し、反体制勢力を結集させて財政支援し、反体制派のあらゆる集会を駆け回るという行動は、我々の想像を超える」と批判。「外交当局はもっと別のこと、つまり国家間の良好な関係づくりの調節に尽力すべきだ」と苦言を呈していた。

 大統領に限らず、駐在する米外交官への不満はロシア国内で強まっていた。例えばラブロフ外相。今年1月の記者会見では、モスクワの米大使館に勤務する米外交官が「スパイ活動に加え、反政府集会などに何度も参加している」と非難し、その“活動”の実態までいくつか暴露していた。

いわく……

  • 変装しカツラ、付けヒゲ姿の米外交官が身分証明書を提示せずに米大使館内に入ろうとし、制止しようとしたロシアの保安職員を殴った
  • 女装した男性の米外交官が、公衆トイレで元の姿に戻るべく着替えをした
  • 米大使館付きの駐在武官が目立ちにくいロシアナンバーのレンタカーを使ってロシア国内の各地を飛び回っている

 真偽の程は定かではない。いずれにせよ、米大統領選へのサイバー攻撃をプーチン政権が指示したとみる米国が、来年3月のロシア大統領選に積極介入してくる可能性は十分にある。そうした試みを未然に防ぎ、プーチン大統領の再選をより確実にするには、米外交官の大量退去が欠かせなかったというわけだ。

 もっとも、両国の外交官追放合戦が続くようなら、プーチン大統領のいう「良好な関係づくりの調節」もままならなくなる。米ロの冷たい関係をさらに決定的に悪化させかねない危うさが見え隠れしている。

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