中央アジアでの中ロの覇権争いに激化の恐れ

 さらに懸念材料がある。両首脳が今回、ロシアが主導する経済連合の「ユーラシア経済同盟」と、中国が進める新ユーラシア経済圏構想「一帯一路」の協力に向けた交渉を開始することで合意したことだ。この路線は一歩間違えば旧ソ連、とくに中央アジア地域での中ロの覇権争いを一段と激化させかねない。

 ユーラシア経済同盟にはロシア、ベラルーシ、アルメニア、中央アジアのカザフスタン、キルギスが加盟し、さらなる拡大をめざしている。一方の中国もかねて、資源の豊富な中央アジアとの関係強化を進めてきた。中央アジア5カ国の対外貿易額はすでに、ほとんどの国でロシアより中国が上回っている。中央アジアを自国の裏庭とみるロシアと、「一帯一路」を通じて一層の浸透を狙う中国は、水面下で激しい火花を散らしているのが現状だ。

 表面的な「蜜月」の裏に、中ロの様々な確執がくすぶる。偶然かもしれないが、ロシアの新聞メディアでは最近、中ロ関係について「失望」(ベドモスチ紙)、「中国は虚構の同盟国」(独立新聞)といった専門家の指摘が目立つようになっている。