日ロが先のソチ首脳会談で「新たな発想に基づくアプローチ」で平和条約締結交渉を加速することで合意したのを受け、ロシア側が交渉進展のためのある“秘策”を盛んに提案するようになっている。北方領土での共同経済活動だ。
北海道から望む国後島(アフロ)

「我々は(北方領土を)売り渡すことはない」(プーチン大統領)

「我々はクリール諸島(北方領土)を渡さないし、日本に平和条約の締結をお願いすることもない」(ラブロフ外相)

 最近、北方領土問題をめぐるロシア要人の〝強硬〟発言が相次ぎ報じられている。5月にソチで開いた日ロ首脳会談では、安倍晋三首相が「相手の国民感情を傷つける言動は控えるべきだ」と強調したばかりだった。

 そのソチ会談では、北方領土問題を含む平和条約締結交渉を「新たな発想に基づくアプローチ」で加速することで合意した。今月22日には首脳間の合意に基づいてさっそく、平和条約締結問題を話し合う外務省高官レベル協議が東京で開かれた。

 9月初めには東方経済フォーラムに合わせて安倍首相が極東のウラジオストクを訪問し、プーチン大統領と会談する予定だ。何年も先送りされてきたプーチン大統領の訪日も年末には実現する見通しで、長らく停滞していた領土交渉に弾みがつくとの期待は大きい。

 そんな流れに水を差すようなロシア要人の発言には、領土問題に対するロシアの強硬な立場を改めて日本側に認識させる意図があるとの見方もでている。

 ところが冒頭の2人の発言は、いずれも前後の文脈を踏まえてみてみると、やや異なるニュアンスが浮き彫りになってくる。