
7時間超すマラソン会見でロシアを批判
ベラルーシはロシアとポーランドの間に位置する小国だ。ロシアと同じスラブ系主体の国家で、人口は1000万人弱。かつてはソ連を構成した共和国のひとつで、最も親ロシア的な国とされてきた。そのベラルーシとの関係に、ロシアが困惑しているのはなぜか。
事の発端は今月3日、ルカシェンコ大統領が国内で開いた記者会見だ。7時間を超す異例のマラソン会見で、ロシアへの不平、不満を並べ立てたのだ。
大別すると、大統領の不満は3つ。ロシアからのエネルギー供給問題、両国間の国境管理問題、そしてロシアによるベラルーシからの食品輸入制限の問題だ。
まずはエネルギー問題。ベラルーシは石油、天然ガスの調達をロシアに依存しているが、ロシアはガスの未払い代金が5億5000万ドルに上ったことを理由に、年初からベラルーシ向けの原油供給量を一方的に削減し始めた。大統領はこれを「合意違反だ」としてかみついたのだ。
天然ガスの未払い代金は、契約価格が1000立方メートル当たり132ドルだったにもかかわらず、ベラルーシが昨年、年間を通じて同107ドルしか払わなかったために発生した。
ところが、ルカシェンコ大統領は国際的な原油安の状況を踏まえれば、ロシア産のガス価格は同83ドルが妥当だと主張。ベラルーシにはガス代金の支払額を引き下げる権利があるとし、それにもかかわらず、ロシアが原油供給の削減という手法で圧力をかけるのは「違法」と断じた。
「我々は兄弟国ではなかったのか?」
大統領はロシアの油田開発権をベラルーシ企業に付与することまで要求。さらに「我々はイランやアゼルバイジャンの原油を調達すれば、ロシアの原油なしでもやっていける。ロシアはそれが分かっていない」と、ロシア政府の高圧的な対応に激しい怒りをぶつけた。
Powered by リゾーム?