トランプ大統領就任で失いかねない”言い訳”

 プーチン大統領にとって「受難の年」になるかはともかく、今年はロシアの内政にとっても重要な年になる。予定通りであれば、来年3月に最大の政治イベントである大統領選が控えているからだ。

 焦点はやはり、次期大統領選にプーチン氏が再出馬するかどうかだ。当人は今のところ立場を明らかにしていない。

 昨年末の記者会見でも「国内と世界の状況を踏まえ、何をなし遂げたか、何ができるのか、どのように行動しなければならないかを考慮に入れたうえで、私が次の大統領選に出馬するか、しないかを決定する」と、さしさわりのない発言をしたばかりだ。

 もっとも、メドベージェフ政権時代に改定された現行憲法では、1期6年で連続2期まで大統領職を務めることができる。2012年に首相から大統領に復帰したプーチン氏の次期大統領選への出馬は合法だ。

 しかもプーチン氏の支持率はいまだに8割を超え、有力な後継候補も見当たらない。国内では当然のことながら、権力の座に魅了されたプーチン氏が来春の大統領選に出馬し、再選されるとの予測が大勢を占めている。

 プーチン再選を前提にすれば、政権側は「明るい未来」に向けた新たな政策ビジョンを年内にも示していく必要がある。なかでも忘れてならないのは、国民の関心の高い経済問題だろう。

 ロシア経済は主に原油安の影響で一昨年、昨年と2年連続でマイナス成長が続いた。政権は米欧による対ロ制裁も経済苦境の一因とし、国民の不満の矛先を米欧に向けさせてきた面もあるが、仮にトランプ政権下で米ロの関係改善が進めばそうした言い訳も通用しにくくなる。

 今年は国際通貨基金(IMF)の予測でも、さすがに若干のプラス成長が見込まれるものの、大胆な経済改革を打ち出さなければ、マンネリ化した政権への失望感はいずれ国民の間で募ってくる。プーチン大統領としても、そのあたりの事情は十分に熟知しているはずだ。では布石は打っているのだろうか。

ロシアのGDP成長率
ロシアのGDP成長率
(出所:IMF、ロシア連邦統計庁)

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