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プーチン大統領の人気は今後も確実に低下していく

プーチン政権は2018年5月から実質4期目に入り、大統領の支持率に再び陰りがみえているようだが……。

グトコフ氏:愛国主義的なムードは2017年末まで続いていたが、このころから社会の不満、緊張が高まり始めた。プーチン再選に向けた大統領選キャンペーンで一時的に緩和されたものの、再選後に政権が打ち出した年金の受給開始年齢の引き上げに国民は猛反発した。政権は年金を働けなくなった人への補償とみなしているが、国民は老後に備えて蓄えてきた自分のカネと思っている。こうした認識の違いも政権批判を助長し、国民の9割近くが年金改革に反対した。プーチン大統領の支持率も低下し、2013年末の水準まで下がってしまった。

 国家にカネがないのに、なぜシリアで訳のわからない戦争を続けるのか。軍の近代化になぜ資金を振り向けるのか。クリミア半島と本土を結ぶ橋になぜ、多額の国家予算を投じるのか……。いまや大衆は、ロシアが大国として復活し、地政学的な問題を解決することに反対はしないが、自分のカネが使われるのは絶対に嫌だと考えるようになっている。

 

 ロシア社会の不安や緊張は続くだろう。とはいえ、政権による弾圧や野党勢力に対する活動制限はさらに強化されるだろうから、今後、政治的に大きな変化があるとは考えにくい。生活は苦しいが我慢はまだできる、というのが現在の国民世論の主流だ。

 

 ただし、プーチン大統領が築いた経済モデル、すなわち強権的な政治力をもとに原油輸出などによる収入を再配分するモデルは2012年までに限界に達していた。2012年は原油価格が1バレル100ドルを超えていたにもかかわらず、経済はすでに成長しなくなっていた。

 

 こうした経済モデルの非効率性や長引く欧米の経済制裁の影響で、直近の国民所得は2014年末時点と比べて11~13%も下がったとの推計もある。国民所得の推移は政権の将来を占う重要なファクターだ。プーチン大統領は今後、NATOとの衝突など、外交面での冒険で一時的に人気を回復させる可能性はあるが、今の状況から単純に予測すれば、大統領の支持率は今後も徐々に低下していくしかない。