第1回目は日本の最北端、第2回目は最東端、第3回目は最西端をそれぞれ紹介したが、第4回目は日本の最南端を紹介したい。
さて皆さんは「日本最南端」とはどこを思い浮かべるであろうか?
実は日本の最南端は、最東端同様に東京都に存在する。東京都といえどもやはり南国で、都心から遥か南に約1728km離れた太平洋上にあり、東京都小笠原村に所属する「沖ノ鳥島」が日本の最南端となる。
国土交通省国土地理院の「日本の東西南北端点の経度緯度」によると、東経136°04′11″、北緯20°25′31″上に位置し、北回帰線よりも南に位置する島である。
しかしながらこの島、居住者はおらず、一般人はとても気軽には行く事が出来ない。
ところで、一般人が気軽に訪れる事の出来る最南端となると、沖縄県の八重山列島に属する日本最南端の有人島、波照間島(はてるまじま)の「高那崎(たかなざき)」(沖縄県八重山郡竹富町)となる。こちらはご存じの方も多いであろう。上述の国土交通省国土地理院の経度緯度(沖縄県最南端)によると、高那崎は東経123°47′18″、北緯24°02′44″に位置する。

今回はこの「波照間島 高那崎」へ、3月上旬に訪れてみたので、その様子を紹介したい。
波照間島への道
波照間島へは石垣島が玄関口となる。石垣港より、高速船かフェリーでのアクセスとなる。共に現在は、安栄観光が運航している。


メインは高速船となり、4月から9月までは夏ダイヤで1日4往復8便、10月から翌年3月までの冬ダイヤでは1日3往復6便、石垣島離島ターミナル~波照間港の所要時間は約60分(西表間・大原港経由の場合は約80分)にて運航されている。

ここから八重山の各港へと、高速船が結ぶ
フェリーの場合、週に3往復6便(火・木・土)と、第2・4金曜日の1往復2便、石垣港~波照間港の所要時間は約2時間にて運航(主に「フェリーはてるま」での運航)されている。共に海の状況により、多少の延着もある。また石垣島では高速船とフェリーのターミナル(チケット売り場や待合所等)自体が異なり、波照間島ではターミナルは同一だが、乗降の場所が異なるため、利用の際は気を付けたい(上記はいずれも、2016年3月現在の情報)。

離島桟橋から市内側の少し離れた場所にある

波照間島の玄関口となる
航空路線に関しては、波照間空港が存在し、かつては石垣空港との間に定期便が1日1往復2便運航されていたが、2008年を最後に運休し、2015年に運航再開の動きも見られたが延期となった。2016年3月現在運航は再開されていない。
メインの波照間航路は、潮流の激しい海域を通過するため良く揺れる。フェリーの場合は前後左右に揺れるフェリー特有の揺れ、高速船の場合はフェリーのそれとまた違った、ジェットコースターのような?揺れを経験する。したがって初めて渡航する際は、船が揺れるという前提で乗船したほうが、気持ちに余裕が生まれる。特に船に弱い方は、事前に酔い止め等の対策を行いたい。
ちなみに筆者の個人的な感覚では、この島へは複数回訪れているが、穏やかに海を渡れたという記憶はない。石垣島から向かう際、ほとんどが高速船での渡航だが、乗船前半は西表島や黒島等々、島々の間(珊瑚礁で出来た比較的浅瀬の部分)を通るため、揺れは少ない。しかし後半、浅瀬の部分を一旦離れると、一転してよく揺れるようになる。上述した通りジェットコースターのような感覚だが、不思議と船酔いしたという経験はない。もしくは船酔いしている暇がないという感覚かも知れない。その揺れで乗客同士、思わず笑ってしまう事もあったほどだ。いずれにせよ油断は禁物で、船酔いの他、揺れによる転倒等の怪我も起きたことがあるため、乗船後着席の際にはシートベルトを締め、船酔い防止のためなるべく遠くを眺める等の対策を取りたい。
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