想定外のトラブル

 雄大な風景を眺めながら歩いているまでは良かったが、引き返したあたりから靴の様子がおかしい。雪の上を歩いている際は特に感じなかったが、やがて靴底が「パカパカ」と剥がれだした。直ぐに靴底を見ると、どうやら滑り止めの凹凸の部分にヒビが入っていた様子で、そこへ雪が詰まり、歩き進む度に雪が次々と入り込み圧縮され、靴底の滑り止め部分を剥がしていたようだ。

壊れた靴底。この後、反対側の靴底も剥がれ、悲惨な状況に

 これはマズいと思い、だましだまし歩きながら宗谷岬灯台へ向かう。その後丘陵より、滑らないよう平地へと急いで向かい、最北端の地碑へ急いだ。

宗谷岬灯台。1885年(明治18年)に点灯した、北海道で3番目に古い灯台
宗谷岬灯台の入口にある案内板

日本最北端の地碑へ

 先ほどより幾分、風と波が和らいできた。雪は止み、少しの間だが青空も見えた。海辺にある「日本最北端の地碑」へと向かうには絶好のタイミングで、足を踏み入れる事が出来た。

冬の日本最北端の地碑。夏場の日中は記念撮影で混みあう

 途中団体客が訪れ、少々混みあったが、寒さのせいか写真を撮り終わると、貸切バスへと戻る乗客が多かったため、その後は冬場ならではの最北端をひとり満喫する事が出来た。碑の横に位置する間宮林蔵像へと移動し、弁天島方向をデジタルカメラの望遠レンズで覗いてみると、どうやらトドらしき動物が、上陸している。あるいはアザラシであろうか? 北国の風景である。

間宮林蔵像
弁天島の様子。実質的にはこの島が最北端となる

 だいぶん日も傾き、動きを止め5分も経つとさすがに寒くなってくる。撮影のため、手袋を外すと手がかじかむ。ここでも北国を感じさせられる。バスの時刻が近づいてきたため、最北端の宗谷岬バス停へと急ぐ。

 ほどなくバスが到着。この場所自体、初めての訪問ではないが、夏場の賑やかな風景とは違い、冬場はやはり寂しく厳しい印象だ。しかしこういった環境の中に身を置くと、普段の生活がいかに恵まれた環境であるかを感じさせられる瞬間でもある。こんな事を考えながら、最後に冬の空とオホーツク海を目に焼き付け、最北端を後にバスへ乗り込んだ。