無事に稚内空港到着

稚内空港
稚内空港

 飛行機は順調に飛行を続け、稚内空港へは「到着機遅れの影響」という別の理由で約20分遅延したが、無事稚内空港へ降り立つ事が出来た。到着時、天気は雪であった。

 時間的にみて、空港でレンタカーを借りて宗谷岬へ向かう方法が一番効率的であるが、今回は公共交通を利用し向かう事とした。5月~9月までは稚内市街より定期観光バスも運行されており、いくつかの選択肢があるが、冬場は路線バスでの移動となる。起点は稚内バスターミナル(稚内駅)である。稚内空港から一度、稚内駅へと向かい、そこから再び稚内空港付近の国道を通り、岬へと向かうルートが一般的となる。

 当初は稚内駅で約15分程度の接続で乗り継ぐ予定であった。余分な荷物を預け、身軽な状態で最北端を目指す予定であったが、飛行機の到着遅れにより接続する稚内駅方面行のバスも約20分遅れ、稚内駅到着予定時刻が13時25分頃となった。宗谷岬方面へのバスが13時20分発と、駅到着時には既に出発している状態となった。

 次に机上で考えていたプランは、空港に最も近い国道上のバス停まで歩く事であった。詳しい地図を見てみると「自動車学校前」という停留所が近い。空港ターミナルから約2.5kmで、普通に歩くと約40~50分前後といった具合であろうか。あらかじめ宗谷バスのホームページで調べた宗谷岬方面行バスの通過時刻は13時41分で、現在の時刻は既に12時50分。雪道の中を歩くとして、バス停を探す時間を考えるとギリギリのタイミングであった。しかもこの日は風雪が強く、国道上のバス停は海に面しているため、たとえ早く停留所へ着いたとしても、吹きさらしの風雪の中でバスを待つ事となる。ちなみにこの日の宗谷地方の気温は最高気温1.1度、最低気温が-1.5度、平均気温が-0.4度と、気温こそ冬の北国としては暖かいほうであるが、風速が最大14.7m/s、平均7.7m/sと、体感温度としては、さすがに条件が厳しい。このため、この案はすぐに断念してしまった。

リスクのあるバスの乗り継ぎ

稚内市(市街地図の一部、昭文社刊 都市地図 北海道 稚内市 利尻・礼文より)
稚内市(市街地図の一部、昭文社刊 都市地図 北海道 稚内市 利尻・礼文より)
市街地の観光施設や店舗、おおまかなバス停の位置を把握できる(※地図を撮影しているため、縮尺は正確ではありません)
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 それならばと悩んだ末に、稚内駅より手前で降りて乗り継ぐ事に決めた。地図上では、稚内空港から稚内駅へ向かう国道上に複数のバス停がある事が分かる。しかし国道以外の道路上にもバス路線図が描かれているため、どこからのバスがどのルートを通るかは定かではなかった。そのため分かりやすい場所をと考え、終点より手前の「南駅前(南稚内駅前)」にて乗り換える事にした。しかしこの選択が、後ほど非常に焦る結果となる。

 「南駅前」のバス停を降りるのは初めてで、降車した時刻が13時20分。宗谷岬方面行のバスは13時26分発。約6分の乗り継ぎであったが、周りを見渡しても反対方面のバス停が見当たらない。バス停に案内表示があり、違う場所であると気付いたが、焦りもあってイマイチ方向感覚がつかめず、時間だけが経過してゆく。雪のため、足場も悪くあまり走れない。こういう時は地元の人に聞くに限るが、この時間は人の気配がなく、とりあえず国道方面へと急いでみた。

南稚内駅。かつては宗谷本線と天北線(廃止)の分岐点の駅であった
南稚内駅。かつては宗谷本線と天北線(廃止)の分岐点の駅であった

 途中に偶然、回送バスが停車しており、何とか運転手にバス停の位置を確認、事なきを得た。国道沿いにバス停があるとの事で急いで移動、たどり着いたのは通過予定時刻の1分前であった。おかげ様で乗り換える事が出来たが、初めての場所で乗り換える際は、注意が必要である。または降車の際に、バス停の位置を確認することである。

南駅前バス停(国道側)。空港方面からのバス停は、駅寄りの道路上に存在する
南駅前バス停(国道側)。空港方面からのバス停は、駅寄りの道路上に存在する

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