年商2500万円相当
実際、家事活動等の貨幣評価を推計している内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部が平成25年6月21日に発表した「家事活動等の評価について」によると、有業有配偶(共働き世帯)の女性の無償労働評価額(家事、買物)は年間「1928千円(約193万円)」(Opportunity Cost method:OC 法で換算、以下同)。無業有配偶(専業主婦)は「2488千円(約249万円)」となっている。その差は「506千円(約51万円)」。つまり共働き世帯では、年間で「506千円(約51万円)」もの損失が生まれているという見方もできるのだ。
年間およそ50万円、10年で500万円。この損失をいかにして補填するのか――。家電の進化の方向性は、いまこの問いに対する答えに向かっていると言える。
そこでいま家電に求められているのが家事の「代行」機能だ。家にいる専業主婦の生産性を高めて負荷を軽減する「サポート」だけでは、主婦の社会進出は容易には進まない。求められているのは、人の手を借りず、初めから終わりまでを自らで完結できる性能・機能だ。家事の時間短縮、省力化という段階的な変化対応ではなく、むしろ時間も労力もゼロにする不連続な進化が必要とされるようになっているのだ。
ではその要請に家電は応えられるのか。
イエス、が答えになりつつある。鍵は上記の通りテクノロジーだろう。最近では、seven dreamersが発表した全自動洗濯物たたみ機「ランドロイド(laundroid)」が好例だろう。洗濯物を畳むというプロセスにおいて人間が関与する工程をゼロにする可能性を提示した。人間が判断して、家電がその「運動」だけを代替するのではなく、判断すらもAIが担い、しかもその場にいなくてもIoTで繋がった家電の働きを遠隔で確認できる。そんな機能を備えた家電がこれからどんどん増えてくるはずだ。
そうした観点から今注目したいのが、高度なセンシング技術とAIで人間に代わって掃除プロセスにおける人間の関与を限りなくゼロに近づけてくれるパナソニックのロボット掃除機「RULO」だ。
目指したのは掃除の“サポート”ではなく、掃除の“代行”
従来、ロボット掃除機は単独ではなく、スティック型掃除機などと併用するケースが多かった。ロボット掃除機は壁ぎわやコーナーが特に苦手で、そういった場所を人間の手でサポートする必要があったのだ。その点「RULO」は、そのアイデンティティとも言える独自の三角形状により、部屋のスミや壁ぎわまでサイドブラシが届いてゴミをしっかりと取り除いてくれるという。
とはいえこれだけでは、複雑に入り組んだ家具のキワや部屋中のゴミをキレイにすることはできない。どんな間取りで、どこに家具があり、どこにゴミが溜まっているのかを人間と同じように認識できる“賢さ”がなければ、人間の代わりなど夢のまた夢であろう。これを実現したのは「RULO」の最新フラッグシップモデル「MC-RS800」が備える最先端のセンシング技術と高度なAIの融合である。


センサーとAIが人間の目と頭脳に成り代わる
人間は目で見てゴミを探し、頭で考えながら効率的に掃除を行うが、「RULO」は搭載するセンサーとカメラで人間の「目」を、そして、AIで人間の「頭脳」を再現する。
まずは「目」である障害物検知センサー。「MC-RS800」は、従来の「赤外線センサー」「超音波センサー」に加え、「レーザーセンサー」を新たに搭載している。これにより、前方110°の範囲内にある幅約2cm※1の障害物まで検知することが可能となっており、テーブルや椅子の脚など、これまでは細すぎて検知できなかった障害物まで把握。家具にぶつかること無く、そのキワまでしっかりと掃除が行えるようになっている。

「頭脳」であるAI技術はどうだろうか。「MC-RS800」では、行動パターンを自動制御している人工知能「RULO AI8.0」が大きく進化したことに加え、新搭載した「カメラセンサー」によるSLAM技術※2を採用。室内の壁や家具、照明といった部屋の特徴点を捉えることで自己位置を認識。走行した軌跡をマッピングして部屋の間取りの学習を行っている。これにより、従来のあらゆる角度から走行し室内を網羅する「ランダム走行」から、より効率的により隅々まで掃除が行える「ルート走行」を可能としており、掃除時間の半減※3も実現している。
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