ホークス優勝を支えた元カープ監督

 プロ野球は、セ・パ両リーグの優勝チームが決まって、あとは日本シリーズまでの道のりに関心が集まっている。

 パ・リーグは、福岡ソフトバンクホークスが2年ぶりの優勝を決めたが、今年からこのチームのヘッドコーチを務めているのが達川光男氏である。かつて広島カープの捕手として活躍し、その後は監督にもなった。セ・リーグはカープが優勝しているので、日本シリーズでは古巣を相手に戦うことになるかもしれない。

 プロ野球で監督経験者がコーチを務めるケースは、調べてみると結構多いようだが、今回のケースはいろいろと興味深い。監督を務める工藤公康氏は54歳で、現役時代は投手だった。一方の達川氏は62歳で捕手出身である。カープ以外のチームでもコーチの経験があり、2003年には星野仙一が率いたタイガースでコーチを務めている。

 彼にとっては、今回のポジションもいわば「手慣れた仕事」ではあったのだろう。

 しかし、還暦を過ぎて普通の社会人であれば「定年後再雇用」の年齢である。一方で、監督はまさに働き盛りだ。そして、優勝後のインタビューではこんなことも言っている。「選手をいい状態で監督に預けるのが仕事。目立たぬように、はしゃがぬように」(朝日新聞デジタル2017年9月17日)。

 歳を重ねたからこそ「脇役」としていい仕事ができる。こうした達川コーチの働き方は、ミドル世代にもまたヒントになることが多い。単に「上」を目指すだけではなく、「自分なりのポジション」をしっかりと持ち、周囲からも頼りにされている。そういう人は、またビジネスの現場にもいる。