もう一度パジャマパーティがしたい!

 夏休みなのに、全然休めない。それは昔ながらの「家族サービス」に疲れるお父さんの話だけではない、小さな子どもを持つ働く女性にとって、その問題は遥かに大変だ。

 Jさんは2人の子どもがいる。ようやく落ち着く年齢になってきたが、毎日の多忙さに変わりはない。夫は十分に協力的だが、できればゆっくり羽を伸ばしたいと思うこともある。

 似たような環境にある学生時代の友人たちとは、スマートフォンで頻繁にやり取りしてるが夏休みになるとお互いの連絡が途切れがちになる。休みの方が、いつもより慌ただしいのだろう。ことに夫の実家に帰る友人の場合、休み明けに延々と愚痴を聞かされることになる。

 そんな仲間で盛り上がったのが、「パジャマパーティをもう一度」という話だった。友達同士で、泊まりに行ってああだこうだと夜通し喋り通す。いわば密室の女子会だ。社会人になってからは、都内のホテルで盛り上がったこともあった。

 「もう一度やりたいよね!」となったが、もちろんハードルは高い。夫を説得して子どもと過ごしてもらう。実質12時間程度だけど、さすがに切り出しにくかった。
 それをどうにかお互いにいろいろと調整して、やっと夏休みに一泊の「パーティー」を決行することになった。横浜の高層ホテルのちょっと広めの部屋で過ごした夜は、これまでにないリフレッシュにつながったという。

 日頃頑張っているからこそ、短い時間を楽しんで気分転換できたのだろう。そして、夫の方は妙に物分かりがよく「また行って来いよ」という。どうやら子ども一緒の写真をSNSにアップして、「今日は子どもと留守番です!」とか書いたら、想像以上に評判が良かったらしい。

 思わぬ展開に、Jさんは次の休暇が楽しみになったという。

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