「40代のその先が見えない…」

 就活シーズンも一段落したけれど、この頃になるとPさんは不思議な気分になるという。自分の勤めている会社に、多くの学生がやって来ることがどこかピンと来ない。

 Pさんの勤めている会社は、いわゆる「ベンチャー」だ。いや、「ベンチャーだった」と言った方がいいかもしれない。社員数は既に1000人を遥かに超えている。

 メディアでも話題になることも多く、学生からの人気も高い。でも普通の会社になってきたなぁ、と思う。

 Pさんが新卒で入った頃は、まさに急成長の真っただ中だった。ただし、知名度はまだまだ低かった。老舗の大手からも内定をもらったけれど、思い切って今の会社に入った。

 ただし、親を説得するのが一苦労だった。幸い父親の親友がこの分野に詳しかったこともあって、最後は納得してくれたし、今でも「いい選択したな」と言ってもらえるのは嬉しく感じる。

 しかし、Pさんは最近どこかモヤモヤしている。

 Pさんは現在39歳の管理職。仕事は安定してきたし、子供も生まれて、傍から見れば順調そのもの。ただし、30代後半にもなると否応なく「40代」の自分が見えてくるわけだが、どうも、「その先の自分」が見えて来ないのだ。

「この歳になれば、みんなそんなものなのかな?」

 どうやら、会社の同期と話しても似たような感覚を持っているようだ。そもそも、Pさんの会社では40代以上の社員が少ない。人材の流動も激しいため、新卒組が40代を迎えるのは、会社にとっても未知の領域なのだ。

 そんな中、Pさんには大学時代から仲のいい、Qさんと久しぶりに会うことになった。

 学生時代の就活から苦楽を共にして、卒業後も連絡を絶やさない親友である。それでも、お互いに家庭を持つようになって会う機会も減った。スマホの履歴を遡ったら、会うのは2年ぶりでちょっと驚く。

 それだけに、どうしてるのかな?と楽しみだった