いきなり立ち現れるY字路の前で

 会社によって多少の違いがあるとはいえ、40歳くらいまでは多くの人が「それなりの道」を歩むことが多い。かつてのような年功序列は薄まったとはいえ、「真面目に頑張った人には、ある程度のポジションを」という暗黙の合意は存在しているようだ。

 ところが、その先にはいろいろな分岐点がある。予想もしなかった時に、「Y字路」が現れてくるのだ。
そして、その際に心の中に生じるちょっとした「ブレ」がその後の人生に大きな影響を与えていると思う。

 かつては猪突猛進だったが、会社の働き方改革についていけず、旧弊な方法で仕事を進めて孤立してしまった者がいる。
 その一方で、悩める若い部下の心を理解しようと心を砕いた結果、自らの生き方を見直して道を拓いた者もいる。
 こうした例は、自らの「プライドを畳む」ということができるかどうかが分かれ目になっている。一定のキャリアを積んだ者にとって、自らの方法論を変えることはたしかに難しい。

 また、本人の努力にかかわらず組織に翻弄されてしまうこともある。
 役員は確実と言われながらも、意外なトップ人事の余波を受けて傷心のまま定年を迎えた人がいる。
 他方、海外勤務の経験がありながら、社の方針転換で冷遇されつつも、40代後半で他社に転職してイキイキしている者もいる。

 ある歳までは、会社が引いたレールに乗っていたつもりでも、そのレールはある時に立ち消える。そこで、いきなり現れるY字路は、さまざまだ。まったく舗装もされていない荒れた道かもしれない。
 その時に自分の頭で考えて、冷静かつ謙虚に決断できるかどうか?
 ところが、多くの会社員にとって、「決める」ということは、本当に難しいことでもあるようだ。