2018年から欧州で現地生産

買収のメリットを生かして、今後はどのようにスーパードライをグローバルブランドとして育てていくのでしょうか。

小路:スーパードライは現在70カ国で売られ、2016年の販売実績は1000万ケースに迫っている。ここから、グローバルブランドになっていくポテンシャルは十分にあると思っていますが、量を最初から追うのではなく、プレミアム価格帯をじっくり狙っていくべきです。これはヘクターともそうした話をしています。

英国ロンドンのスーパーなどで見ると、タイや中国などアジア系のビールと同じ棚に並べられているのが現状です。価格もペローニなどに比べると低いようです。

小路:輸入ビールのレギュラー価格帯ですよね。やはり、日本のトップブランドとして、国際的な品評会でも金賞をもらうような水準のビールであることを、しっかり打ち出さなくてはなりません。そういう意味では「売り直し」ですね。私自身は販売する国の数にはこだわりはないので、まず、プレミアムビールとして攻めていける都市があるかどうかが重要だと考えています。

 必要に応じて、例えば(日本で売っているスーパードライの高級版である)「ドライプレミアム」的なものを投入してアピールしてもいいでしょう。戦略的には色々なことを考えられると思います。

欧州で合わせて1.2兆円近くを投じることになる計算ですが、「高値づかみ」になってしまうというリスクも無視できません。買収のシナジー効果をどのように高めていきますか。

小路:スーパードライに関しては、焦らないと言いつつも2018年からイタリアなどで自社生産して、本格的に販売していきます。まず、スーパードライの販売が乗ってくるだけでも大きなシナジー効果はありますよ。これは販売量だけでなく、工場の稼働率が上がることで、生産性が高くなる効果もあります。調達の面も同様です。

 もう一つは、将来的にはという話ですが、世界で販売する「スーパードライ」「ペローニ」「ピルスナー・ウルケル」については、欧州をグローバル展開のヘッドクオーター(HQ)にすることもありうるなと考えています。ヘクターのように、すでにグローバルでの経験と知識を十分に持っている人材が多く入ってきたわけなので、欧州にHQを置いて、日本人のメンバーが向こうに行って外国人と一緒になってやることも考えなくてはならない。

 シナジーというのは具体的にはこれから発表していきますが、いっぱいあるんです。ただ、海外では量を追うビジネスをやるつもりはないので、あくまでシナジーも質の高いものにしていかなくてはならないと思います。

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