東京・銀座のバー「ピルゼン・アレイ」では、グラスや温度、注ぎ方にこだわったスーパードライを提供する(写真:北山 宏一)

 飲食店が独自に工夫を凝らす動きもある。東京・銀座の一角にある「ピルゼン・アレイ」は、スーパードライを専門で提供する立ち飲みのビアバー。10人も入れば満席になる店だ。

独自のつぎ方で提供

 オーナーの佐藤裕介氏はビールの本場、チェコやドイツなどを渡り歩いて修行したビールの専門家。国内の主要な銘柄の中では、スーパードライに魅力を感じた。最も繊細で、それだけに温度管理や飲ませ方などで工夫のしがいがあるからだという。

 佐藤氏は2014年、まず東京・新橋にバー「ブラッセリ―ビアブルヴァード」をオープン。その翌年、スーパードライに特化した店としてピルゼン・アレイを開いた。同店では2回に分けて注ぐことで適度に炭酸ガスを抜き、ビールの味わいとのバランスを楽しめる独自のつぎ方でスーパードライを提供し、人気を集めている。

 取材で訪れた1月下旬、来店していた若い女性は「友人との待ち合わせ前に、よく店を利用する。それまでビールはほとんど飲まなかったが、ピルゼン・アレイで好きになった」と話した。多い時は、グラスで10杯は飲むという。

 佐藤氏が最初に開いたブラッセリ―ビアブルヴァードは、首都圏配属となるアサヒの新入社員が、ビールの味を覚える研修の場として使われたこともある。社内の研修場所としてだけでなく、アサヒとピルゼン・アレイが共同でスーパードライの魅力を発信する取り組みも可能なはずだ。

 家庭で飲む缶ビールでは、大手流通業だけでなく中小の小売店とタイアップしての販促活動も進む。

大阪府の佐竹食品の店舗。スーパードライや派生商品を積極的に販売する(写真:太田 未来子)

 「できたて直送、大特売会」。昨年秋。大阪府の食品スーパー、佐竹食品の吹田市内の本店で、スーパードライの販促イベントが開かれた。