幹部クラスの転職、成功の決め手は「柔軟性」

 本シリーズ9月5日付けの記事で紹介した通り、女性幹部がヘッドハンティングで他社に移る動きが出てきている。役員候補となる40代の部長クラス、部長候補を大手企業から招くケースが多いという。まさに馬場さんのような例だ。

 どのような人材が求められているのか。リクルートエグゼクティブエージェントのディレクター、渡部洋子さんによると、次の2領域で人材ニーズが高いという。①海外でマネジメント経験がある人、②財務・経理や人事、法務・知財などの管理部門で汎用性のある知識スキルがある人、である。

 幹部転職を成功させるには、本人に「柔軟性」があるか否かが大きな決め手になるという。大手企業から中堅・中小企業に移ると、往々にして会社の仕組みや体制が「できていない」と感じてしまう。そのときに「プロセスができていないということは、自分が力を発揮するチャンスがあるということ。さて何からどう手を付けるか」と発想できれば、成功への道が拓ける。一方、前職の大手企業と比べて「これも足りない、あれもダメだ」と考えてしまう人は成功がおぼつかない。「こんなはずじゃなかった」という呟きは、適応できないことを証明しているようなものだという。

 転職先が異分子を受け入れるかどうかという「社風」に加えて、本人が柔軟か否かという「芸風」が、幹部クラスの転職を成功させるカギだと渡部さんは言う。

 社風を見極める目、そして芸風。馬場さんの転職の成功例を見ると、すべての条件が揃っていることが分かる。東芝という日本を代表する企業が育てた、女性幹部のトップランナー。皮肉にも他社での活躍が、その人材育成の確かさを物語っている。

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