「今年は、岸潤一郎が入団しました。明徳義塾(高知)で1年生の時から甲子園に出場した実力の持ち主です。大学中退後、徳島を選んでくれました。ピッチャーですが、バッティングもいいので期待していて下さい。今年入団の選手では、鎌田光津希の名前も覚えてもらえればと思います。去年、埼玉西武ライオンズに3位指名された伊藤翔の高校(千葉・横芝敬愛)時代の先輩にあたります」

大手企業からも求人

 もちろん、所属選手全員に、輝かしい世界への道が用意されているわけではない。インディゴソックスで野球から離れる決断をする選手もいる。

 「でも、自分が野球を辞めた頃を思うと、今、ここで野球人生を終える選手は恵まれていますよ。時代もあって、厳しい独立リーグを経験し、結果も出した選手を欲しがる企業は多く、大手上場企業からも多数、求人が来るのです」

 現在、インディゴソックスに所属する選手は32名で、そのうち徳島出身者は3名だ。「徳島で野球をすることを選んだ選手たちに、徳島を好きになってもらい、自分の地元など徳島の外に対してPRしてもらい、徳島への観光などにもつなげていきたいです」という。

 ただ、徳島出身の選手は増やしていきたいともいう。地元に根付くには、地元の選手も必要なのだ。今の自分の立場には、徳島で生まれ育った人が就いた方がいいとも考えている。

 「その方が、僕がやっているよりも2倍も3倍も、ずっと早く物事が進むはずです。でも、徳島には、徳島の人にはできないこともあります。僕はこの仕事を受けるとき、徳島で失うものは何もないのだから、最終的に徳島のためになるのであれば、最初のうちは嫌われてもいいと覚悟を決めました。そうしてでもまずは球団の運営を健全にし、健全であり続けられる土台を整えようと思ったのです。本当なら、ジムにしてもうどん店にしても、自分たちですべてを抱え込むのではなく、広く手を携えて進めていった方がいいですし、土台ができて軌道に乗ったら、球団代表は僕ではなく、徳島の人がやった方が絶対にいい」

未来の地元選手育成へ、子どもたちの野球教室も開催

 徳島の人にとっては当たり前となっている徳島の魅力を県外出身の選手が再発見し、それを出身地など県外に向けて発信すれば、徳島に関心を持ってもらえるかもしれない。「仕事でも、せっかく徳島まで来たなら、日帰りするのではなく、一泊して観光する、野球を見るという選択をしてもらえるようにしたいです」

 2017年度の徳島インディゴソックスは約1390万円の赤字だった。まだしばらく、南は徳島を離れられそうにない。