2012年に新たな運営母体となるパブリック・ベースボールクラブ徳島が設立されると、それまで60程度だったスポンサーを300近くまでに増やしたが、観客動員数が低迷。

 南が33歳で新たな球団代表に就任した2015年度も赤字で、その金額は2100万円に達していた。それが次の年度、あっさりと黒字に転換する。金額は20万1000円とわずかではあるが、球団史上初めてのことだった。

 要因は、所属していた外国人選手が2人続けてNPBに所属するプロ野球球団に移籍したこと、さらにドラフト会議で支配下登録選手、そして育成選手として指名されたことだった。指名されると、契約金の一部が球団に入る。この移籍金が赤字を補填する格好になったのだ。

宝くじに頼るな、スポンサーを減らせ

 待望の黒字転換だったが南は、「これは宝くじに当たるようなものでもあるので、移籍金頼みというわけにもいきません」という。

 その言葉通り、伊藤投手がライオンズから指名され、また、長身の大藏彰人投手が中日ドラゴンズから育成1位で指名を受けたにも関わらず、また、観客動員数は前年より増加したものの、2017年度、球団は再び赤字に陥った。

 どれだけ将来性のある選手を獲得し、NPBのチームから指名されるように育成して“宝くじ”を当てても、それは経営体質の抜本的な改善にはつながらない。チームと球団は地元に適切に愛され、健康的に維持できなくてはならない。具体的には、スポンサー収入を増やし、観客を増やすしかないのだ。すでに南はそう判断し、それまで苦労して増やしてきたスポンサーの数を減らさざるをえなかった。

 増やした方が良さそうなのに、減らすのには理由がある。

 インディゴソックスのスポンサーの多くは県内に拠点を置く企業で、その大半が、チームを応援し、支えようという気持ちでスポンサーになっている。しかし、そのスポンサー契約の内容を南が調べてみると、頭を悩まされるものもあった。

 「たとえば、選⼿がその店で商品を買ったりサービスを利⽤したりするときには、何らかのサービスが受けられることがあります。しかしながら、お客様の中には運営側ではなく、選手に直接サポートがしたいとの理由で球団を通さずに案内がされることがありました。球団の知らないところで、お店の宣伝に協力しているということがあったりと、本来しっかりサポートをしていただいている企業さんに対して、説明がつかないケースが起こっていました」