高専卒業生は1980年にはほぼ全員が就職していたが、1990年ごろから大学編入学など進学者が増えてきた。2017年3月に高専を卒業した学生は全国1万86人。そのうち進学した学生は4036人だ。学校によっては進学する学生数が就職する学生数を上回っている。例えば沼津工業高等専門学校(沼津高専)は、17年3月に卒業した197人のうち、過半の102人が進学している。

高専から編入学すると大学3年生(出所=文部科学省)

進学校化する高専

 群馬工業高等専門学校(群馬高専)は、高専の中でも進学比率が高い。17年3月に卒業した178人中、73.6%の131人が進学した。進学先には東京大学や東北大学など有名大学が並ぶ。高専の内部進学である「専攻科」も進学先として多い。隠れた進学校として、編入学を前提に高専を進路に選ぶ中学生も増えているという。

 高専生は進学の有無に関わらず企業の評価が高い。例えば、進学せずに就職した高専卒業生は「即戦力として十分な技術を持ち、若いため企業の文化に染まりやすい。給料も大学資格が無いため安い」(大手自動車メーカーの元技術者)。大学編入学など進学した学生も「普通に大学受験した学生に比べて倍以上の研究経験があり、深い専門知識を持っている」(大手電子部品メーカー管理職)という。修士卒なら高専、大学、大学院で4~6年間の研究活動を経験してから企業に入社することになる。

 進学がしやすく、企業からの評価も高い高専は、学業不振を理由にした留年や退学が多いことも特徴だ。「多い年には生徒の2割が単位不足で留年する」(卒業生)。文科省の学校基本調査によると、入学生徒数に比べて卒業生数が約1割少ないのが分かる。編入学の試験科目が少なく、企業から高い評価が得られているのは、厳しい評価基準の中で鍛えられた学生が卒業していくからなのかもしれない。

■訂正履歴
本コラムの当初のタイトルについて読者より不快であるとの指摘がありました。タイトルは、(東大への)編入学が一部の高専生の間で冗談交じりに“裏口入学”と呼ばれている、という事実から引用したものであり、編集部及び筆者が編入学を裏口入学であると判断しているものではありません。筆者は沼津高専・同校専攻科を経て大学院へ進学した経歴を持ち、高専を応援したいという意図で本コラムを執筆しました。しかしながら誤解を招く表現であったことを反省し、「東大に“裏口入学”する方法」というタイトルを削除いたします。 [2018/3/28 15:20]