世代交代で変革が起きるというのは、ファミリー企業に共通した特色。ソフトランディングで継いだとしても、アイリスオーヤマの大山健太郎社長(2代目)やエアウィーヴの高岡本州社長(同)など、会社を作り変えるほどの変革に成功した例は多い。例えハードランディングで親子関係に亀裂が生じても、案ずることはない、というのが星野代表の持論。それよりも、変革を優先せよ、ということだ。

 「私と父の場合、勝負の結末を決めたのは、実は彼自身。騒動が永遠に続いてしまうかもしれない、非常に危うい状態の時、『もう終わろう』とひいたのは父親だったんですね。私は当時31歳でしたから、その幕引きへの感謝の念はあまりもっていなかったのですが、今から考えると、非常に立派で重要な意思決定をしてくれたと思っています」

 「不思議なもので、親子関係はいつまでたっても、ビジネスの対立軸とは違うところに存在しているんですよね。はたからみると、お家騒動でも、内からすれば単なる騒動。だから、勝負さえつけば、将来必ず、普通の親子関係に戻る時が来る、と私は思っています」

次の経営者、「同族以外になる可能性が高い」

 日本社会の全体に「世襲批判」がはびこる中、ファミリービジネスへの批判の1つとして「絶対に社長になれないので社員のモチベーションが上がらない」というものがある。星野代表はどう考えるのか。

 「まず、絶対に社長になれないわけではない。成長しているファミリー企業で同族以外が社長をしているケースはけっこうある。いろんな選択肢の中で経営陣を適切に変化させることはファミリー企業でもできる。あと、逆に大手の一般企業に入ったところで、社長になれる確率はどれほどか。よくよく考えると、わからなかったりするわけです」

 「じゃあ、一番の大きな課題は何かというと、それはやはり公私混同なんですよ。しっかりとしたビジョンがあれば同族が社長をやろうと何の問題もない。でも、公私混同をしているなというのは、社員はすぐわかりますからね。社員のモチベーションに悪影響を与えているのは、社長になれるなれないという話じゃなく、そっちの方だと思います」

 では、星野代表は、自身の後継者問題について、どう考えているのだろうか。

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