僕がはじめてセネガルから義烏に来た2003年、5時間あれば市場のすべてを回れた。今は1つの店を3分で見るとすると、すべてを回るのに半年かかる計算になる。義烏は今も成長し続けているプラットホームだ。僕たちもこの成長に関わっていきたいし、それはアフリカの成長にとっても大事なことだ。

ソーラ氏のオフィスには、夕方になると仕事を終えたさまざまな人がお茶を飲みに来る。この日も2人の中国人が遊びに来ていた
ソーラ氏のオフィスには、夕方になると仕事を終えたさまざまな人がお茶を飲みに来る。この日も2人の中国人が遊びに来ていた

人中心のビジネスをエンハンスする中国政府

 伊藤亜聖准教授によると、深圳や義烏など海外と関わりの深い場所、経済的に重要な場所は、中国政府も気をつかってなるべく良い人材を政府に送り込んでいる。この「良い」の定義は難しいが、「きちんと結果を出せる」ぐらいのニュアンスで、それまで経済政策や外国人との関わりで実績を出している共産党のホープが送り込まれてくる。

 ソーラ氏のアフリカへの愛と、彼が今住んでいる義烏という環境へのエキサイトメントは、言葉の端々にうかがえた。義烏で活躍するアフリカ人+市政府VIPのSNSグループは、そうした人たちで作ればワークするが、先にSNSグループを作ることを目的にしたら、うまくいかないだろう。

 今回聞いた活動のほとんどは、政策が主導するというより、ソーラ氏のような現場の人間が出したアイデアをうまく取り入れて拡大させていることがうかがえた。まるで改革開放が外資や香港、その後、前回紹介したSeeedのように広く民間からのアイデアを吸い上げていったのと似ている。こういう現場から出てきているものを背景にしている限り、一帯一路は具体的なビジネスに落とし込まれ、社会に実装されていくのではないだろうか。

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