PEXの材料は小さくて安いが、水道パイプなどの製品になったものは大きくて輸送量がかかる。だから材料と機械をセネガルに送り、セネガルで製造してパイプにするビジネスをはじめて成功している。中国にあるもので、アフリカでもできて、ビジネスとして手がける効果が高いものがわかったのは、この街での経験だ。

 かつてはモノを見ても右から左に動かして、利ざやがいくらか、しか考えていなかった。工場をたくさん見て、モノがどう作られるかを知って、僕たちでもできることがあると思えた。それは義烏から学んだと言える。もっと多くのことを、もっと多くのアフリカ人が学べると思う。

アフリカと中国との関係をもっと深くしていきたい

ソーラ氏:2016年にセネガルで「中国からの投資をどううまく利用していくか」というイベントを、義烏市とセネガルの中国大使館の協力のもと行った。多くの中国人がアフリカでビジネスを始めつつある。彼らがアフリカにもたらすものをうまく利用し合えるようにならなければならない。義烏市の副市長もセネガルに来てイベントは成功し、翌2017年には中国で「セネガルに投資する可能性」というイベントを行った。このイベントも成功したので、今後は義烏だけでなく他にも広げていきたい。中国人はアフリカでビジネスをしてお金を得る。でもそのときアフリカ人もお金を得られるし、そこから知識も得ることができるんだ。

 僕のやっているアフリカ協会では、さまざまなアフリカ人が一つとなって、義烏市政府と助けあっている。この活動で市政府から表彰された。外国人が表彰されるのは非常に珍しいことだ。広州のアフリカ人ではあり得ないだろう?(実際に、インタビュー中にも何度か義烏の司法局から相談があり、ソーラ氏は流ちょうな中国語で対応していた)

 2016年から、中国での活動を認められてセネガル大統領のアドバイザーとなり、パスポートは外交パスポートになった。ガンビア大統領のアドバイザーもしている。今後、他のアフリカの国を助けることにもなるかもしれない。

 2015年には、僕の会社の中国人従業員のうちトップの7人を25日間、セネガルに連れて行った。お金はたくさんかかったけど、より多くの成果が出た。帰ってきてから僕らの従業員は、アフリカ人の顧客を食事に誘うようになった。アフリカに行くまでは考えられなかったことだ。従業員はアフリカでの楽しかった思い出を顧客に話し、たくさんの取引先がアフリカに行きたいと声をかけてくれる。そういった広がりが生まれたことがここ数年で一番嬉しい。

 ここ義烏は特別な場所だ。中国では都市ごとに強い製品がある。電子機器なら深圳、鉄を買うなら天津というように時間をかけて回らなければならない。でもここ義烏なら、5分で中国すべてのモノにアクセスできる。この義烏のポジション、戦略はとても学ぶことが多い。

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