施設のど真ん中に本物の土俵! まるで江戸のような街並み

 施設に入るとまず目に入るのが、中央に設置された原寸大の土俵。そしてその回りを取り囲むように、壁に沿って連なっている古びた外観の店舗の数々だ。駅舎の構造を生かした高い天井の開放感とあいまって、江戸の街歩きをしているような気持ちになる空間だ。どの店舗も古びた風情を出すため黒っぽい色合いになっているので最初はどれも同じように見えるが、よく見ると、どの建物も商品に合わせた粋な仕掛けが施されていることが分かる。個々の店を見てみよう。

 入口から入って左側から順番に、まずは寿司店「政五ずし」。江戸時代に両国(旧本所元町)で握り寿司を考案したとされる「華屋与兵衛」の寿司を再現していることで有名な店だ。

 その隣の酒・門打ち「東京商店」は東京の全ての酒蔵の日本酒をそろえる店。ユニークなのは常時30種類の日本酒をセルフで利き酒できる“利き酒マシン”を設置していること。

 その隣は江戸末期に始まって東京名物となったもんじゃ焼きの店「月島もんじゃ もへじ」。明治4(1871)年創業の築地魚河岸の直営店だけあって、築地で仕入れた新鮮な魚介や旬の素材を使ったもんじゃを提供する。

 土俵の真向かいにあるのが、元大関霧島(現陸奥親方)の店「ちゃんこ霧島」。左右に「西」「東」で分かれた広い部屋があり、相撲甚句を聞きながら本物のちゃんこ鍋が食べられる。

 海鮮料理「かぶきまぐろ」は本店が築地にあり、ランチタイムには20種類の海鮮食材を盛った迫力ある「築地場外丼」を提供。

 入り口から見て右側に並ぶ店を見ると、手前から甘味処・茶「両国橋茶房」。店名は武蔵と下総を結ぶ江戸時代の橋「両国橋」と同じように、江戸と現代をつなぎたいと命名。徳川家康も愛したといわれる「本山茶」の抹茶をベースに、慶応4(1868)年創業の老舗の江戸和菓子店「宝来屋本店」のエッセンスも加えた和のパフェや甘味が味わえる。

 隣の寿司「つきぢ神楽寿司」は江戸時代から伝わる天然赤酢を使った伝統的な本格江戸前寿司の店。「ネタを網で炙ってから握る自慢の“炙り”をぜひ味わってほしい」という。

 鶏・軍鶏「根津 鶏はな」は東京軍鶏、3種類の卵、東京野菜を使用しており、都が認定する”東京特産食材使用店”。

 天ぷら「天ぷら食堂 ひさご」は、大正7(1918)年創業という老舗の姉妹店。

 深川めし・純米酒「門前茶屋 成る口」は江戸時代から庶民に親しまれてきた”深川めし”の店。別炊きしたアサリを注文後にご飯にのせ、蒸篭蒸しで仕上げている。

 最後は日本そば「日本ばし やぶ久」。明治35(1902)年創業、四代続く江戸三大そば「藪蕎麦」の老舗で、国産最上級そば粉を初代からの“足踏み製法”で打っているので人気の店だ。

 2階はフロア全体が、海鮮総合和食・宴会「築地食堂 源ちゃん」。両国・浅草地区最大級の席数306という広さで、刺身・丼・焼魚・煮魚などに至るまで、ボリュームたっぷりの和食が食べられる。

 ひと回りして、予想以上にハイレベルな老舗が多く驚いた。「天ぷら食堂ひさご」「築地食堂 源ちゃん」以外の10店舗は、こうした複合商業施設への出店は今回が初めてだという。

江戸時代、両国で握り寿司を考案したとされる「華屋与兵衛」の味を再現する「政五ずし」。本店は江戸時代から代々、両国に住んでいたというすし職人の店
[画像のクリックで拡大表示]
江戸時代の味付け、料理法を生かして砂糖を使わず、すっきりした味付けに仕上げた寿司は現代人にも好評
[画像のクリックで拡大表示]
粋な角打ちスタイルで、東京の全ての酒蔵の日本酒が飲める酒・角打ち「東京商店」。立ち席のみ。自動利き酒マシンでは常時30種類の日本酒をセルフで利き酒できる。手軽なつまみは3種盛りで500円
[画像のクリックで拡大表示]
明治4(1871)年創業、築地魚河岸の直営で、月島もんじゃストリートでは行列が絶えないもんじゃ焼き・お好み焼き「月島もんじゃ もへじ」。魚介系と鶏ガラを合わせただしを使った、具だくさんでボリューム満点のもんじゃが人気。「明太子もち」(1480円)
[画像のクリックで拡大表示]
築地に本店がある海鮮料理「かぶきまぐろ」。ランチタイムには海鮮20種を盛った迫力の「築地場外丼」が人気を呼びそう
[画像のクリックで拡大表示]
元大関霧島(現陸奥親方)の店、ちゃんこ・季節料理「ちゃんこ霧島」。鶏ガラ・豚骨でとっただしにたっぷり具材が入った健康志向のちゃんこ鍋などを提供。「西」「東」に分かれた部屋は非常に広く、相撲甚句のBGMや、相撲をあしらったデザインが目を引く
[画像のクリックで拡大表示]
甘味処・茶「両国橋茶房」。いち押しの「両国橋抹茶パフェ」(税込み1200円)には本山茶のソフトクリームと抹茶生クリーム、本山茶抹茶みつ、本山茶抹茶ゼリーなどが使用されている
[画像のクリックで拡大表示]
寿司「つきぢ神楽寿司」はノドグロやキンキ、金目鯛の直火炙りのネタが売り。また、気軽に食べられる立ち食い寿司も併設
[画像のクリックで拡大表示]
鶏・軍鶏「根津 鶏はな」。地産地消を重視し、希少な東京軍鶏を提供。料理によって3種類の卵を使い分けている。夜はコース料理中心だが、ランチでは親子丼(税込1080円)を提供
[画像のクリックで拡大表示]
「天ぷら食堂 ひさご」は大正7(1918)年に創業した老舗の姉妹店。三重県四日市から取り寄せた特注ゴマ油を使った揚げたての天ぷらが味わえる
[画像のクリックで拡大表示]
深川めし・純米酒「門前茶屋 成る口」。名物の「深川あさり蒸籠飯」は、具材を別々の味付けや火入れで仕上げる和食の伝統的技法“炊き合わせ”を駆使し、高温高圧で蒸すことで大ぶりのアサリをふっくらと仕上げている
[画像のクリックで拡大表示]
明治35(1902)年創業、4代続く江戸三大そば「藪蕎麦」の老舗「日本ばし やぶ久」。国産最上級そば粉を初代からの“足踏み製法”で、毎日”外二”で打っている。この時期のお薦めは「鴨南ばん」(1650円)
[画像のクリックで拡大表示]