ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)をV字回復に導いた日本を代表する戦略マーケター、森岡毅氏。11月20日、同氏が率いるマーケティングの精鋭集団「刀」は、アジア最大級のプライベート・エクイティ・ファンドである、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアとのパートナーシップ締結を新たに発表した。突如浮上したこの異例のタッグの狙いは何か。両社に話を聞いた。

(前回記事「USJをV字回復させた森岡氏が企業再生会社を設立」)

森岡毅氏はUSJを17年1月に退任後、企業成長会社の刀を設立
森岡毅氏はUSJを17年1月に退任後、企業成長会社の刀を設立
[画像のクリックで拡大表示]

 森岡毅氏が立ち上げた「」は、森岡氏とともにUSJのV字回復を担った今西聖貴氏(需要予測モデルの開発・運用)や立見信之氏(ファイナンス)を中核として、得意分野の異なるマーケティングのスペシャリストが結集している。

 クライアントの業種に合わせて最適なチームを編成し、経営者の“懐刀”として、もしくは当事者として経営や事業に参画。消費者調査や需要予測などのノウハウを基にした個人のマーケティングスキルの強化、人事評価制度や組織の構造改革などを実行し、数年かけてクライアント企業を消費者目線で連動する会社に生まれ変わらせる。

 森岡氏は、「刀との契約が終了した後も持続的な成長が可能になるようノウハウそのものを移植するのが、コンサルティング会社との大きな違い」と話す。同社は、すでに製造業をはじめとする複数の企業と契約し、プロジェクトを進めている。

刀は市場構造分析やブランド設計、人材開発など、企業成長に必要な多彩なノウハウを保有しており、それらをクライアント企業に移植する
刀は市場構造分析やブランド設計、人材開発など、企業成長に必要な多彩なノウハウを保有しており、それらをクライアント企業に移植する