看護師に「精神的サポート」を求める飼い主も

 高齢ペットのための往診サービスとともにニーズが高まっているのが、訪問看護・介護サービス。16年に開業した「CARE PETS(ケアペッツ)」は専属の動物看護師による愛犬・愛猫のホームケアサービスをフランチャイズ展開しており、加盟企業は73社(2018年7月現在。開業していない企業も含む)。通常のペットシッターサービスも行っているため、高齢ペットは全体の約半数だという。

 30分から利用可能で、ウエアラブルカメラ装備、専属動物看護師は全員女性というのが特徴。これは、同社の藤田英明社長がかつて小規模デイサービスを運営していた経験から着想したものだという。フランチャイズ方式で全国に多店舗展開している理由は「ペットの看護、介護に対する考え方や感じ方が地域によって違いがあるから」と同社ケアペッツ事業担当の菊地美咲氏は話す。

一人暮らしの女性の飼い主も多いため、女性の動物看護師に限定しているという。基本料金は30分2000円~(エリアによって異なる)
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 高齢のペットの場合、通常の看護や介護以外の依頼もある。重病でひとときも目が離せないペットがいるが、どうしても外出する必要がある飼い主からの終日の付き添いの依頼や、みとりが近くなってナーバスになった飼い主から「何もしなくていいから一緒にいてほしい」という、精神的なサポートの要請があったりするそうだ。

サービスの認知度向上のため、異業種と積極的に提携

 注目度の高いサービスながら、一般の認知度はまだまだ低い。そこでケアペッツでは異業種企業との業務提携を積極的に行っている。「犬を飼っている人は自動車を所有している場合が多いので、JAFと提携。現在は都内限定で、JAFの加入者に対して利用料の割引を行っている」(同社広報)。今後はペット共生型マンションを所有する不動産会社との提携も視野に入れているという。

 わんにゃん保健室の江本院長も、「今後はひとつの動物病院だけではなく、他の動物病院や他業種との連携が必要」と話す。「各科専門医が日替わりで各地域を訪れ専門診療を行うことができれば、飼い主も高度な治療を受けるために遠くの医療施設まで行く必要がなくなる。高齢ペット向きと思うサービスがあれば、積極的に連携していきたい」(同氏)。

「通院できない状況になると、責任感の強い飼い主ほど一人で悩みを抱え込んでしまいがちだが、適切な緩和ケアを行うことで、残された時間のQOL(生活の質)を高めることができる」と話すわんにゃん保健室の江本宏平院長
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(文/桑原恵美子)

[ 日経トレンディネット 2018年10月15日付の記事を転載]