トレンドマイクロの技術を用いたセキュリティー機能を搭載

 Deco M5には、セキュリティ機能「TP-Link HomeCare」が備わっている点も評価できる。これは、ウイルス対策ソフトなどを手掛けるトレンドマイクロのコアテクノロジー「Trend Micro Smart Protection Network」技術を採用したセキュリティー機能だ。アンチウイルス機能や悪意のあるWebサイトへのブロック機能、保護者によるネット利用の制限機能などが利用でき、ネットワークに接続するだけでこれらのセキュリティ機能が利用できる。設定もスマホアプリからできるので、とても分かりやすい。

トレンドマイクロの技術を用いたアンチウイルス機能を標準で搭載する。コンテンツフィルターや、ウイルスに感染したデバイスの隔離機能などもある
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ユーザープロファイルによるフィルタリング機能を搭載。コンテンツだけでなく、ダウンロードの可否なども設定できる
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 アンチウイルスやWebサイトのブロック機能などは、標準で3年間の利用権が付属する。機能はまったく同一ではないが、同等の技術を利用するトレンドマイクロのハードウエア型セキュリティーユニット「ウイルスバスター for Home Network」を3年間利用すると3万2184円かかる(本体1万9224円+追加の利用料6480円×2年分)ので、オマケとはいえないほどの内容だ。

 TP-Link HomeCareで便利だったのが、端末ごとに通信のプライオリティが設定できることだ。仕事用PCの優先度を高め、子どもが使うスマホやタブレットの優先度を落とす、といったことができた。保護者による利用制限の設定は、保護者のスマホにアプリを入れておくことで、いつでも変更が可能。もちろん、設定変更ができる端末は事前に登録する仕組みなので、子どもが勝手にアプリをインストールして設定を変更することはできない。

一般的Wi-Fiルーターより価格は高めだが、導入メリットは多い

 短期間の試用ではあったが、Deco M5を導入すると3階の部屋でも安定した通信ができるようになったのは好印象だった。30Mbps以上の通信速度が安定的に出るので、ストリーミング動画の視聴も問題なしだ。子どもが3階の部屋にこもってスマホやタブレットを使っても、フィルターや時間制限機能などで子どものネット接続を制限できるのは意義が大きい。Wi-Fiに接続するとスマホに通知が来るのも、親目線では安心だ。Wi-Fi環境を整備すれば自宅でLTE通信を使わずに済むので、お金をかけて大容量のパケットパックを契約する必要がなくなるだろう。

 使いやすさの工夫も評価したい。SSIDやワイヤレスの周波数を気にせずに使えるだけでなく、何より設定が簡単なのも評価できる。「Wi-Fiが遅いけれど、交換するのは難しそうだから」と、業者に設置してもらった古いWi-Fiルーターをそのまま使い続けている人でも、安心して導入できるだろう。

 筆者宅では、3つのユニットが含まれた基本パッケージを導入することで、3階でも安定して通信ができるようになった。しかし、1階や2階と比べると速度は遅いため、欲を言えば3階にもう1台設置して通信速度を底上げしたいと感じた。そういったニーズに応えるため、今後ユニットは単品でも販売される予定となっている。

 Deco M5は、一般的なWi-Fiルーターと比べれば高価だが、メッシュネットワークによりWi-Fi環境の大幅な改善が見込めるうえ、高度なセキュリティー機能が無料で付属することを考慮すると、決して高くはないといえる。「Wi-Fiにつながりにくい、遅い」といった不満を抱えている人、特に一戸建てに住んでいる人には、導入をお薦めしたい。

(文/コヤマタカヒロ)

日経トレンディネット 2017年10月30日付の記事を転載]