30の改善点から先に手をつけるべき3点を見極めて、そこに集中するように提言するのも、我々の役割です。最も重要な問題を解消すれば、残りの改善点は自然と解決するものです。
実は「刀」という社名には、このように無駄を「削ぎ落とす」という意味も込めています。
すでに動き出しているプロジェクトはありますか。
森岡:守秘義務がありますので具体的な社名は明かせませんが、小売業、製造業などで新たな取り組みを進めています。
技術志向の強い製造業の方にはマーケティングの価値は分かりにくいかもしれません。他にまねできない技術を開発することで、成功体験を積み重ねてきたからです。ただ製造業者が正しいと信じる方向性が、消費者の評価ポイントとずれることもある。ですから日本の誇る技術力に消費者視点が加われば、日本の製造業はもっと輝けるはずです。メディアや金融業なども、マーケティングを導入することで大きく成長できる余地があります。つまり日本の経済全体にまだまだ伸びしろがあるということです。
経験を積まれたレジャー業界はいかがですか?
森岡:もちろんレジャー施設の新規開発や事業再生は視野に入っています。日本の未来を考えたら、エンターテインメント施設の開発は絶対に欠かせません。私たちの取り組みが、日本社会を活性化するきっかけになるとしたら、これ以上の喜びはありません。また、そうなると確信しています。
(文/奥井真紀子 photo/大高和康)
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