レジャー施設の新規開発や事業再生も視野に
戦略人事の重要性について、もう少し詳しく説明していただけますか。
森岡:経営資源のなかで、最も大切なのが「人」であることは言うまでもありません。成長する企業とは、人的資源を伸ばし続ける企業ということです。
これまでの日本の企業では人的資源を「センスがいい」「天才的」など、個人的な能力に頼りがちでした。しかし、その企業に特化した人事システムを構築すれば、社員の誰もが、より高度な能力を発揮できるというのが、我々「刀」の考え方です。
一人ひとりの力は60点でも、最適のシステムを組み合わせればその力が80点にも90点にもなる、と私は信じています。市場構造に適合したシステムをつくれば、個人の能力に左右されない組織になり得るということです。
人事に介入して組織をつくり変えるから、企業再生にはある程度の期間が必要なのですね。
森岡:付け加えれば、企業の体質を改善するには、何かを足すだけでなく無駄を削ぎ落とす作業も必要です。
例えば、ある企業を外部から観察して30個くらいの改善点が見えたとします。しかし、そのすべてに対応していては、組織はいつまでたっても変わりません。ある特定の期間に、企業が集中して取り組めることは、いくつもないからです。
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